奥(おき)宝篋印塔

 奥(おき)宝篋印塔(和歌山県有田郡有田川町奥)

   この地には、もと極楽寺と呼ばれる寺院があった所で、二基の石塔はその遺品。宝篋印塔は、南北朝時代中期 文中二年の紀年銘がある。

奥(おき)宝篋印塔(県指定文化財、南北朝時代中期 文中二年 1373年、砂岩、高さ 196Cm)

塔身正面、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(キリーク:阿弥陀)
宝篋印塔は、長楽寺の南 約300m、ゴミ集積場の横に宝塔と共に立つ 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(アク:不空成就)

笠の段形は、下は二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で外側がやや反り気味、内は無地

塔身背面、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(ウーン:阿閦如来)
塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(タラーク:宝生如来) 基礎の背面が一部欠けてるが、ほぼ完存する南北朝時代の宝篋印塔

基礎上端は二段、側面は四面とも無地で 刻銘がある

刻銘:「為先□祐春聖灵三十三廻造立之、仍有縁無縁平均利済、文中二年(1373)四月十五日」

笠の隅飾(二弧輪郭付で、内は無地) 完存する相輪、下から伏鉢・請花・逓減する九輪・請花・宝珠

宝篋印塔は、基礎下に複弁の反花座を設ける

 奥(おき)石造宝塔                                  石仏と石塔-目次!

覆屋の中にほぼ同年代の宝篋印塔と宝塔が納められている

宝篋印塔紀年順  日光寺(にっこうじ)宝篋印塔(南北朝時代)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR紀勢線「藤並駅」東南東方向へ徒歩 約25分。長楽寺より南方向へ約300m。家庭ゴミの集積場の隣。ゴミ集積場の方から入る為、普段は鍵がかかっている。有田川町の教育委員会(電話:0737-32-3111)に予め連絡を入れ、日程調整をすれば鍵を開けてくれる。

(撮影:平成21年3月17日)