徳蔵寺 応安六年銘 名号板碑

 徳蔵寺(とくぞうじ)(東京都東村山市諏訪町1-26-3)(「元弘の碑」に向かって右側列に展示)

  典型的な時宗板碑。阿号を持つ「道阿弥陀仏」の法名と没年日を刻んだ板碑で、新座市 法台寺の名号板碑と同形式。

徳蔵寺(とくぞうじ)名号板碑 (南北朝時代中期 応安六年 1373年、緑泥片岩、高さ 99.5Cm 下幅 32.5Cm)

頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻き、中央に大きく「南無阿弥陀佛」の六字名号を蓮華座上に、左右に聖名と没年日を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、額部は薄く突出する。身部は一重線の輪郭を巻く。

名号の左右に聖(ひじり)名と没年日を刻む。 刻銘:「應安六年、癸丑、十一月六日」

身部、下方の刻銘

刻銘は、名号を挟んで右に「應安六年(1373)、癸丑、十一月六日」の没年日、左に「道阿弥陀仏 聖霊」と刻む。

道阿弥陀仏という時宗の聖(ひじり)の墓塔として造立されたもので、「応安六年(1373)十一月六日」の没年日が刻まれている。

徳蔵寺 貞治二年銘 名号板碑

 徳蔵寺(とくぞうじ)(東京都東村山市諏訪町1-26-3)(「元弘の碑」に向かって左側列に展示)

  徳蔵寺に伝存する名号板碑で、南北朝時代中期 貞治二年(1363)の紀年銘がある。

徳蔵寺(とくぞうじ)名号板碑 (南北朝時代中期 貞治二年 1363年、緑泥片岩、高さ 72.5Cm 下幅 30Cm)

頭部山形、下に二条線、額部は薄く突出する。身部は一重線の輪郭を巻き、中央に大きく六字名号、左右に紀年銘と「悲阿」の文字を刻む。

蓮華座上に「南無阿弥陀佛」の名号を刻む 刻銘:「貞治二年(1363)

刻銘は、中央に大きく「南無阿弥陀佛」の六字名号、左右に「貞治二年(1365)、癸卯」、「二月十八日 悲阿」と刻む。

徳蔵寺 応安四年銘 名号板碑

 徳蔵寺(とくぞうじ)(東京都東村山市諏訪町1-26-3)(「元弘の碑」に向かって左側列に展示)

  徳蔵寺に伝存する名号板碑で、南北朝時代中期 応安四年(1371)の紀年銘がある。

徳蔵寺(とくぞうじ)名号板碑(南北朝時代中期 応安四年 1371年、緑泥片岩、高さ 82.5Cm 下幅 29Cm)

頭部山形は損傷、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻き、中央に大きく「南無阿弥陀佛」の六字名号を蓮華座上に、左右に紀年銘を刻む。

名号の向って右に「應安二二(四)年(1371)左に「四月 日」と刻む。全体に摩耗が進んでいる。

 徳蔵寺(とくぞうじ)嘉暦二年銘 断碑                       石仏と石塔-目次!

「元弘の碑」に向って右側列、展示の一部

向って左から、嘉暦二年(1327)銘断碑、文和三年(1354)銘阿弥陀三尊種子断碑、応安六年(1373)銘名号板碑、永和二年(1376)銘阿弥陀三尊種子板碑。

 板碑(いたび)

*西武新宿線「東村山駅」下車、北方向へ徒歩 約16分。「徳蔵寺板碑保存館」の板碑群は、整理が行き届いており、ここを拝観するだけで武蔵型板碑の概観を知ることができる。本ページは、前ページに続き館内の名号板碑を紹介しています。

(撮影:平成25年3月6日)