清谷寺(せいこくじ)阿弥陀三尊種子板碑

 清谷寺(せいこくじ)(東京都中野区沼袋3-21-7)

   十三仏板碑の向って左側に立つ。室町時代中期 文明二年(1470)の紀年銘があり、板碑としては、これくらいのサイズが一番多い。

清谷寺 阿弥陀三尊種子板碑(室町時代中期 文明二年 1470年、緑泥片岩、高さ 55Cm 下幅 20.5Cm)

身部上方は阿弥陀三尊種子を蓮華座上月輪内に、下方は中央に供養者名・紀年銘、左右に各二行観無量寿経に出る偈を刻む。

阿弥陀三尊種子は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、身部の輪郭はない。

中央の刻銘:「逆修妙春禅尼」 刻銘:「文明二年(1470)、庚刁(寅)

妙春という法名の在俗女性出家者が、生前 自らの「現世安穏後生善処」を願って法要を行う、「逆修供養」碑として文明二年(1470)に造立された。

身部、下方の刻銘

中央に「逆修妙春禅尼」、その下方左右に「文明二年(1470)、庚刁(寅)、十月 日」、左右に各二行

「観無量寿経」に出る偈(げ)を刻む。

偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)」「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)

[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]

 清谷寺(せいこくじ)阿弥陀種子板碑

  十三仏の向って右側に立つ板碑で、磨滅し、主尊阿弥陀種子「キリーク」が読める程度。

清谷寺(せいこくじ)阿弥陀種子板碑 (緑泥片岩、高さ 63.5Cm 幅 27Cm)

清谷寺 阿弥陀種子板碑

本堂前の植込みの中に立っている。こちらも、風化・摩耗が進んでいる。

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清谷寺 十三仏種子板碑(中央)(区指定文化財、室町時代前期 応永六年 1399年)

向って左側に立っているのが文明二年(1470)銘阿弥陀三尊種子板碑

 板碑(いたび)

*西武新宿線 「沼袋駅」下車、西南西方向へ徒歩 約9分。

(撮影:平成25年3月6日)