江龍寺(こうりゅうじ)(滋賀県野洲市比江)
近江の在銘宝篋印塔のなかで最も古い弘安二年(1279)の作品
江龍寺(こうりゅうじ)宝篋印塔(鎌倉時代中期 弘安二年 1279年、花崗岩)
塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(西面、キリーク:阿弥陀如来) | ||
宝篋印塔は比江自治会館の南、約100mの所にある | 塔身、蓮華座や月輪は刻まれず種子のみを刻む(北面、アク:不空成就) |
笠の段形は、薄い下二段、珍しく上七段、垂直に立つ隅飾は一弧無地輪郭なしで、軒と区別せず のべ作りとする
塔身、格調のある字体で種子を薬研彫りしている(東面:ウーン:阿閦如来) | ||
塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(南面:タラーク:宝生如来) | 宝篋印塔は、全体の均整がとれずパーツの寄せ集めで造られている |
背面(東面)の基礎のみ側面が無地で、「弘安二(1279) 己卯六月日」の刻銘がある
相輪は五輪塔の風・空輪で代用する | ||
近江の在銘宝篋印塔のなかで最古の弘安二年(1279年)の作品 | 基礎は上二段で、背面を除いた三側面は、輪郭を巻き内に格狭間をつくる |
近隣の民家で咲いていたアジサイ系の花
南側の道路方向から撮った写真で、実際はかなり傾いて立っている
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*JR東海道本線「野洲駅」から野洲市循環バスあやめ浜行き乗車 「比江自治会館前バス停」下車、徒歩2分。江龍寺は、現在廃寺で木造十一面観音(平安時代後期)を祀る小さなお堂があるのみ。宝篋印塔は道路側にあり、近江の在銘宝篋印塔で最古の紀年銘を持つ石塔にしては、あつかいがぞんざいだ。
(撮影:平成20年6月17日)