富川阿弥陀三尊不動明王磨崖仏

 富川(とみかわ)磨崖仏(大津市大石富川町)

  耳の病に霊験があり、錐をもって沢山の方がお参りに来られる。俗に「耳だれ不動」と呼ばれる

富川(とみかわ)阿弥陀三尊磨崖仏(市指定文化財、鎌倉時代中期、花崗岩、中尊高さ 636Cm)


阿弥陀像 頭部(耳が大きい)

単弁の蓮華座と二区の格狭間(こうざま)

中尊の阿弥陀坐像は、定印を結ぶ。二区の格狭間(写真右下)上に単弁の蓮華座を置き、その上に坐す

像の周りを彫り込んで、板彫風の薄肉彫りで刻まれ、光背を外に浅く彫り込む


化仏の付いた宝冠を着用する観音菩薩

踏み割り蓮華

向かって右の観音(宝冠に化仏をあらわす。中尊側の片手を与願印とし、もう一方の手に蓮華の茎をもつ)

向かって左側の勢至観音は、宝冠に水瓶が付く


勢至観音 頭部

右手に蓮華の茎を持つ

向かって左側の勢至観音菩薩立像(中尊側の手を与願印とする)

正面右側の、相輪が折れ塔身を欠いた石塔。水輪を欠いた五輪塔にもみえる

勢至観音の左下には不動明王立像が線刻されている 中尊の右耳の下に割れ目があり、水がたれることから「耳だれ不動」と呼ばれる

 石山寺(いしやまでら)宝篋印塔                             石仏と石塔-目次!

観音菩薩の右側の石には応安二年(1369)の年号が線刻されている。この刻銘は造像の年号ではないが、磨崖仏の彫刻もほぼその頃と考えられている

 石  仏-紀年順-目次

*JR琵琶湖線(東海道本線 「石山駅」下車、京阪バス 大石小学校行き に乗車、バス停「鹿跳橋(しかとびばし)」下車、国道422号線にそって約3.1Km歩くと入口の標識がある。徒歩約40分

(撮影:平成19年3月4日)