西明寺(さいみょうじ)石造宝塔

 西明寺(さいみょうじ)(滋賀県犬上郡甲良町池寺26)

   西明寺は、湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)の一つで、平安時代 承和元年(834) 仁明天皇の勅願により 三修上人が開創した。

西明寺(さいみょうじ)石造宝塔(重要文化財、鎌倉時代後期 嘉元二年 1304年、花崗岩、高さ 215Cm)

首部、円形縁板状の作り出しの上に側面無地の首部をつくる。
三重塔の裏手、山の斜面の平地部に石柵を設け、内に立っている。 基礎、壇上積式で、側面は四面とも格狭間を作り、内に開蓮華を刻む。

隅棟をつくり、頂部に露盤、笠裏に二重の垂木型を刻出する。

相輪は下から、伏鉢・請花・九輪・請花・宝珠。九輪の彫り具合や請花・宝珠の形が秀逸で、隙のない美しさを見せている。

塔 身

上部に首部、側面の四方に扉型を作り出す。

塔身、側面の刻銘(部分) 刻銘:「大工 平 景吉」

銘文は「奉造立如法経塔」にはじまり、先師や二親の菩提のために建てられたことを記し、「嘉元二年(1304)十二月日、大工平 景吉」とある。(川勝政太郎著「日本石造美術辞典)

石大工の「平 景吉」は、石塔寺宝塔にも同じ名が刻まれている。

基礎 背面

格狭間の中に見事な近江文様の開蓮華が浮彫にされている。

宝塔の基壇は、三段の切石からなっている。 笠上の隅棟(すみむね)

西明寺(さいみょうじ)石造宝塔(重要文化財、鎌倉時代後期 嘉元二年 1304年)

 西明寺(さいみょうじ)町石笠塔婆.                          石仏と石塔-目次!

西明寺(さいみょうじ)本堂(瑠璃殿)(国宝、鎌倉時代初期、方七間の純和様建築)

平安、鎌倉、室町の各時代を通じて祈願道場、修業道場として栄え、山内には十七の諸堂、三百の僧坊があったという。

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*新緑と紅葉の時期には、近江鉄道「尼子駅」からシャトルバスでいける。通常の時期は、きわめて不便。

(撮影:平成19年11月24日)