大蓮寺(だいれんじ)三尊石仏と宝篋印塔

 大蓮寺(だいれんじ)三尊石仏(滋賀県東近江市市辺町1018)

大蓮寺三尊石仏(市指定文化財、鎌倉時代後期 元亨元年 1321年、安山岩、高さ 185Cm)

自然石の前面を切り込み、中に蓮座上に立つ如来形三尊(阿弥陀・薬師・釈迦)を半肉彫りする。三尊とも施無畏印を結ぶ

右端に「元亨辛酉元年(1321)四月日造立了」、三尊の下に「為生阿弥陁仏現存也、為西念房第三年也、為字六母三十三年也」の刻銘があり

生阿陁仏自身の逆修、故西念房三年忌、字を六とよぶ人の母の三十三年忌のため各一尊が造立された(川勝政太郎 著:「日本石造美術辞典」)

向かって左端の如来形立像

完存するのはこの一体のみで他の二体は顔を破損している

  大蓮寺(だいれんじ)宝篋印塔

大蓮寺(だいれんじ)宝篋印塔 (南北朝時代、花崗岩、高さ 233Cm)

塔身正面、金剛界四仏の種子のみを薬研彫りする(ウーン:阿閦如来)
宝篋印塔は、三尊石仏の向かって左側に立っている 塔身左面、金剛界四仏の種子のみを薬研彫りする(タラーク:宝生如来)

笠は下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する

塔身背面、金剛界四仏のみを薬研彫りする(キリーク:阿弥陀如来)
塔身右面、金剛界四仏のみを薬研彫りする(アク:不空成就) 南北朝時代の大きな宝篋印塔で、基礎は制作途上と思われる

基壇は低く複弁の反花座をもつ、基礎は壇上積式が完成する前の状態で上部は二段、側面の文様は彫られていない

  大蓮寺(だいれんじ)残欠基礎

 

宝篋印塔の後側にある残欠基礎

残欠基礎は、壇上積式で格狭間内に開蓮華や宝瓶三茎蓮を陽刻し、左右の束に刻銘がある

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大  蓮  寺

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*近江電鉄「市辺駅」下車、東へ徒歩 約15分

(撮影:平成20年4月15日)