梵釈寺(ぼんしゃくじ)宝篋印塔

 梵釈寺(ぼんしゃくじ)(滋賀県東近江市蒲生岡本町185)

   平成十五年(2003)に相輪が発見され、修復も完了した宝篋印塔で、鎌倉時代後期 嘉暦三年(1328)の紀年銘がある。

梵釈寺(ぼんしゃくじ)宝篋印塔 (重要美術品、鎌倉時代後期 嘉暦三年 1328年、花崗岩、高さ 226Cm)

塔身、金剛界四仏の種子を刻む。(正面、アク:不空成就如来)
門内、右手南側の境内に立つ。相輪を完備した姿は美しい。 塔身、金剛界四仏の種子を刻む。(側面、タラーク:宝生如来)

塔身、「タラーク(宝生如来)」の両脇に「嘉暦三(1328)戊辰、九月五日」、「大願主、沙弥道一、藤原口口の刻銘がある。

段型は、下二段、上五段、隅飾りは二弧輪郭付で内に無地の小円相を陽刻する。

段型の上五段(通常 六段)は、この地方に多い。

塔身、金剛界四仏の種子を刻む。(背面、キリーク:阿弥陀如来)
塔身、金剛界四仏の種子を刻む。(側面、ウーン:阿閦如来) 近江文様の三茎蓮・散蓮華・孔雀の彫刻を基礎側面に刻む。

金剛界四仏は、阿閦如来(東方)・宝生如来(南方)・阿弥陀如来(西方)・不空成就如来(北方)。本宝篋印塔の塔身は、東方

「ウーン:阿閦如来」が北方、北方の「アク:不空成就如来」が東方になっており、「ウーン」と「アク」の位置が入れ替っている。

基礎 正面

基礎は壇上積式で、上端は単弁の反花、側面は格狭間内に中央が半開の宝瓶三茎蓮を刻む。

基礎 背面

側面は、格狭間内に中央が蕾(つぼみ)の宝瓶三茎蓮を刻む。

相輪は、下から伏鉢・単弁覆輪付請花・九輪・単弁請花・宝珠で、平成十五年に発見された当初のものを載せ、美しい姿を見せている。

基礎 側面

向って左側面は、格狭間内に孔雀一羽を刻む。

隅飾は、二弧輪郭付きで、内に無地の小円相を陽刻する。 四仏種子や九輪溝部の表現に、南北朝に近い姿を見てとれる。

基礎 側面

向って右側面は、格狭間内に散蓮華二片を交差させて陽刻する。

刻銘:「大願主、沙弥道一、藤原口口 刻銘:「嘉暦三(1328)、戊辰、九月五日」

塔身、「タラーク(宝生如来)」の両脇、「嘉暦三(1328)戊辰、九月五日」、「大願主、沙弥道一、藤原口口の刻銘。

基  壇

切石の基壇は、平成二十年(2008)十一月、相輪と共に修復された。

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梵釈寺(ぼんしゃくじ)(黄檗宗)

桓武天皇の創建と伝える。江戸時代初期に晦翁(かいおう)和尚により現在の地に再興された。

江戸時代中期 享保十三年(1728) 黄檗山 万福寺の末寺になった。

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*近江鉄道「朝日野駅」下車、北北西方向へ徒歩 約15分。

(撮影:平成19年7月16日、平成25年12月30日)