朝国(あさくに)観音寺跡宝篋印塔

 朝国観音寺跡(あさくにかんのんじあと)宝篋印塔(滋賀県湖南市朝国)

朝国観音寺跡宝篋印塔 (市指定文化財、鎌倉時代後期 正和二年 1313年、花崗岩、高さ 151Cm)

塔身正面、法界の文字が中央に刻まれている。塔身は後補
県道13号線 朝国北交差点の北北東、竹やぶの中に立っている 塔身の向かって左面、素面。塔身は後補

笠の段形は、下二段、上六段、隅飾は三弧輪郭付で内は無地、やや外傾する

塔身背面、素面。塔身は後補
塔身の向かって右面、素面。塔身は後補 基礎上・笠下の段形が高く、メリハリがついた力強い姿を示している

基礎は上端二段、側面は四面とも輪郭を巻き、内に格狭間をつくる。輪郭・格狭間とも深く彫り下げる。二面の束に銘文を刻む

銘文:「正和二年(1313)癸丑三月十八日奉造立之、願主沙弥道念敬白

石塔は、古来より「時頼小塔」と呼ばれ、時頼の50回忌に作られている。笠と基礎が本来のもので、造立当時の美しい姿が十分に偲ばれる

相輪は欠失し、五輪塔の風・空輪を載せている

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当地は、かつて時頼の開基といわれる観音寺が建立されていたが、明治初年に廃寺となっている

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*JR草津線、三雲駅下車、北方向へ徒歩 約18分。県道13号線 朝国北交差点北東の大和物流滋賀(営)の裏、小さな溝に架かった金属製の簡易な橋を渡った竹やぶの中にある。以前にずいぶん時間をかけて探したが見つからなかった。「石造美術紀行」のブログを見て探すことができたが、「こんな所に!」という場所にあった。「石造美術紀行」を運営されておられる猪野 様の石造美術にかける熱意に敬意を表し、今後とも「石造美術紀行」の発展を願ってやみません。

(撮影:平成21年3月11日)