観音寺(かんのんじ)阿弥陀三尊種子板碑

 戸田市立郷土博物館(埼玉県戸田市大字新曽1707)

   主尊、阿弥陀種子の月輪に大日報身真言、碑面に随求小咒と光明真言を刻む室町時代中期 文正元年(1466)在銘の大型板碑。

観音寺 阿弥陀三尊種子板碑(中央)(室町時代中期 文正元年 1466年、緑泥片岩、高さ 202Cm 下幅 53Cm)

戸田市立郷土博物館に展示。身部は、上方に阿弥陀三尊種子、下方は光明真言、随求小咒、紀年銘、及び多数の交名を刻む。

板碑 頭部

頭部山形は損傷する。下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻く。

身部枠内中央には、大日報身真言の一部 梵字「ア」が刻まれている。

阿弥陀三尊種子 主尊の阿弥陀種子「キリーク」、月輪に大日報身真言」を刻む。

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を蓮華座上月輪内に刻む。

主尊の阿弥陀種子「キリーク」の月輪に、大日報身真言「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」の梵字が刻まれている。

板碑 刻銘 (展示説明文) 身部、下方の刻銘 (磨滅が進んでいる)

身部下方の刻銘は、中央に「文正元年(1466)口口十五日」、左右に「光明真言」、「随求小咒」、下方に四十人を超える交名を刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

随求小咒:「オン、バ、ラ、バ、ラ、サン、バ、ラ、サン、バ、ラ、イ、ンヂリ、ヤ、ビ、シュ、ダ、ニ、ム、ム、ロ、ロ、シャ、レイ、ソワー、カー」

刻銘部、上方

中央に「文正元年(1466)口口十五日」、左右に「光明真言」、「随求小咒」

 秋元家(あきもとけ)阿弥陀三尊種子月待断碑                  石仏と石塔-目次!

観音寺(かんのんじ)本堂 (明治十三年 1880年建立)

観音寺は、本尊を如意輪観音とする真言宗智山派の寺院。

 板碑(いたび)

*戸田市立郷土博物館へは、JR埼京線 「戸田駅西口」下車、西方向へ徒歩 約7分。尚、撮影は許可が必要。

(撮影:平成24年11月13日、平成25年3月8日)