向徳寺(こうとくじ)阿弥陀三尊種子板碑

 向徳寺(こうとくじ)(埼玉県比企郡嵐山町大蔵 635)

   向徳寺 板碑群中、最も大きい板碑で南北朝時代前期 康永三年(1344)の紀年銘がある。

向徳寺阿弥陀三尊種子板碑(町指定文化財、南北朝時代前期 康永三年 1344年、緑泥片岩、高さ 210Cm 下幅 53Cm)

門前に集められている後方中央の板碑。身部は、上方に阿弥陀三尊の種子を蓮華座上に、下方に光明真言・造立者名・紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は、一重線の輪郭を巻く。

身部上方、蓮華座上に阿弥陀三尊の種子を刻む 身部、下方の刻銘

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする。

三尊とも月輪なしに、蓮華座上に刻まれている。

身部下方の刻銘は、中央に「康永三年(1344)、甲申四月十六日」、下の左右に「蓮海、敬白」、上の左右に各二行 光明真言を梵字で刻む。

光明真言 (梵字)

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」、「シャナ、マ、カーボ、ダラ」、「マ、ニ、ハンドマ、ジンバラ」、「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

刻銘:「康永三年(1344)、甲申 向徳寺 板碑群の中で、最も大きい板碑で、 康永三年(1344)の在銘

板碑 根部

根部は、薄く突出する。

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向徳寺(こうとくじ)(時宗)

小代氏一族の創建と伝える寺院で、鎌倉時代 永仁五年(1297)に時宗となり現在に至る。

 板碑(いたび)

*東武東上線 「武蔵嵐山駅」下車、南方向へ徒歩 約25分。

(撮影:平成24年11月10日)