川辺の板碑(阿弥陀種子板碑)(埼玉県桶川市加納2916)
桶川市で最古・最大の板碑で、鎌倉時代中期 文永八年(1271)の紀年銘があり、七分断されていたのを昭和五十四年に復元造立した。
川辺の板碑(阿弥陀種子板碑)(市指定文化財、鎌倉時代中期 文永八年 1271年、緑泥片岩、高さ 368Cm 下幅 61Cm)
長野家同族墓地に立っている。身部は、上方に三弁宝珠で荘厳した阿弥陀種子を蓮華座上に、下方は紀年銘・偈及び銘文を刻む。 |
板碑 頭部
頭部は低い 山形、下に二段の切込。身部は二重線の輪郭を巻く。
三弁宝珠で荘厳された阿弥陀種子「キリーク」 | 身部、下方の刻銘 |
刻銘は、中央に「文永第八暦(1271)、辛未、春日来阿弥陀口口比丘尼敬白」、左右に「観世音菩薩往生浄土本縁経」に出る偈(げ)を刻む。
若有重業障 → | 無生浄土因 → | 乗弥陀願力 → | 必生安楽国 |
往生本縁経に出る偈(げ)
偈(げ):「若有重業障(にゃくうじゅうごうしょう)、無生浄土因(むしょうじょうどいん)、乗弥陀願力(じょうみだがんりき)、必生安楽国(ひっしょうあんらくこく)」
[ 若し重き業障ありて、浄土に生まれる因がなくても、弥陀の願力(誓願の力)に乗ずれば、必ず安楽国(浄土)に生まれることができる。]
刻銘:「文永第八暦(1271)、辛未」 | 背面はコンクリートで補強、ステンレスの金具で固定されている。 |
薬王寺(やくおうじ)阿弥陀三尊月待板碑. 石仏と石塔-目次!
長野家同族墓地に立つ、「川辺の板碑」・背面
背面は、コンクリートで補強。
*大宮駅からニューシャトルに乗車、終点「内宿駅」下車 上越新幹線沿い(北西)に 約3.8Km。「内宿駅」には、レンタサイクルがあり、便利に利用できる。
(撮影:平成25年3月7日)