大梅寺(たいばいじ)(埼玉県比企郡小川町大塚470)
二連板碑は、埼玉県内に十二基確認され、うち八基が小川町にある。二連板碑は大体に頂部が水平だが、大梅寺のものは山形二つで珍しい。
大梅寺二連板碑 (町指定文化財、南北朝時代前期 暦応四年 1341年、緑泥片岩、高さ 95Cm 下幅 53Cm)
本堂西側の墓地入口に立つ。幅の広い石材を用い、板碑二基を彫成した二連板碑で、それぞれ阿弥陀如来の種子を本尊とする |
二連板碑は、同じものを同時に連結してつくったことから、夫婦の逆修供養や追善供養塔として造立したと思われる。
板碑 上部
頭部は二つの山形で、埼玉県下で二基しか確認されていない。下に二段の切込をつくり、身部は一重線の輪郭を巻く
身部 上方
それぞれ阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫する
光明真言の刻銘 (向かって左側) | 中央の紀年銘:「暦応二二(四)年(1341)辛巳十月日」 |
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャナ、マ、カーボ、ダラ、マ、ニ、ハンドマ、ジンバラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
板碑、下方の刻銘
中央に「暦応二二(四)年(1341)辛巳十月日」の紀年銘、左右に梵字で同文の光明真言を刻む
背面は「三界万霊塔(さんがいばんれいとう)」と大きく刻まれ、江戸時代後期 文政六年(1823)に転用されている |
モニュメントの前に安置されている板碑
大梅寺 (曹洞宗)
仁治三年(1242)土地の豪族 猿尾(ましお)氏が都幾川村にある霊山院の栄朝禅師を招いて創建したと伝える
*JR八高線・東武東上線 「小川駅」下車、南方向へ徒歩 約20分。
(撮影:平成22年11月19日)