円城寺(えんじょうじ)延文六年銘 二連板碑

 円城寺(えんじょうじ)(埼玉県比企郡小川町大字青山654)

   小川町付近に特有の二連板碑を二基有し、両方とも本尊が阿弥陀如来の種子で、この地方を代表する板碑である。

円城寺二連板碑 (町指定文化財、南北朝時代中期 延文六年 1361年、緑泥片岩、高さ 110Cm 下幅 57Cm)

本堂西側の墓地に立つ二基の内、左側の板碑。幅広の石材で、板碑二基を彫成した二連板碑で、それぞれ阿弥陀の種子を本尊とする

板碑 上部

頭部は水平で、下に二段の切込をつくる。身部は二重線の輪郭を巻く

身部 上方

それぞれ阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫する

光明真言の刻銘 (向かって左側) 光明真言の刻銘 (向かって右側)

光明真言(左右 同文):「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャナ、マ、カーボ、ダラ、マ、ニ、ハンドマ、ジンバラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑、下方の刻銘

中央に「延文六年(1361)辛丑三月一日の紀年銘、左右に梵字で同文の光明真言を刻む

板碑 側面 阿弥陀三尊種子板碑 残欠

 大橋堂(おおはしどう)阿弥陀三尊種子板碑                      石仏と石塔-目次!

二基並んで立つ二連板碑

向かって左側が延文六年(1361)銘で、右側が正中二年(1325)銘

 板碑(いたび)

*JR八高線・東武東上線 「小川駅」下車、南方向へ徒歩 約20分。

(撮影:平成22年11月19日)