源光寺(げんこうじ)(埼玉県北葛飾郡松伏町上赤岩1099)
十三仏の種子を刻んだ板碑で、室町時代後期 天文四年(1535)の紀年銘がある。
源光寺(げんこうじ)十三仏種子板碑(室町時代後期 天文四年 1535年、緑泥片岩、高さ 109Cm 下幅 37Cm) |
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「帰依仏」板碑の右横に立つ。身部は、最上段に虚空蔵菩薩の種子を大きく、その下三列四段に、残り十二仏を蓮華座上月輪内に刻む。 |
板碑 頭部
頭部山形、下の二条線と身部の郭線はない。身部最上方は、左右に「日・月」を刻む。
十三仏の順序は、最下段右側(不動明王:初七日)を基点として、右から左へ、一段上がり左から右へ、順次上に上がり、 虚空蔵菩薩(三十三回忌)に至る。
十三仏は、死者の追善供養のために①.初七日(不動)、②.二七日(釈迦)、③.三七日(文殊)、④.四七日(普賢)、⑤.五七日(地蔵)、⑥..六七日(弥勒)、⑦.七七日(薬師)、
⑧.百ヶ日(観音)、⑨.一周忌(勢至)、⑩.三回忌(阿弥陀)、⑪.七回忌(阿閦)、⑫.十三回忌(大日)、⑬.三十三回忌(虚空蔵)の十三仏事にわりあてられた仏・菩薩をいう。・・
最初の十仏は、閻魔王など十王の本地仏を、初七日(不動)から三回忌(阿弥陀)までに当て、この十仏に七回忌 阿閦、十三回忌 大日、三十三回忌 虚空蔵を加えたのが十三仏。
十三仏の最上段
⑬.虚空蔵菩薩(三十三回忌)の種子「タラーク」(○内番号は、十三仏の順序)
虚空蔵菩薩の種子 「タラーク」の上方に宝珠のついた天蓋を刻み、瓔珞(ようらく)は長く垂れている。
また、蓮華座上の月輪は二重に線刻し、内部が鋸歯状の文様でアクセントをつけている。
⑩.阿弥陀如来(三回忌) | ⑪.阿閦如来(七回忌) | ⑫.金剛界大日如来(十三回忌) |
(キリーク) | (ウーン) | (バン) |
十三仏 二段目
⑨.勢至菩薩(一周忌) | ⑧.観音菩薩(百ヶ日) | ⑦.薬師如来(七七日) |
(サク) | (サ) | (バイ) |
十三仏 三段目
④.普賢菩薩(四七日) | ⑤.地蔵菩薩(五七日) | ⑥.弥勒菩薩(六七日) |
(アン) | (カ) | (ユ) |
十三仏 四段目
③.文殊菩薩(三七日) | ②.釈迦如来(二七日) | ①.不動明王(初七日) |
(マン) | (バク) | (カーン) |
十三仏 五段目
五段目右端の①.不動明王を基点として左側へ続き、五段目が終われば、四段目の上④から⑥へと続き、最上段の⑬.虚空蔵菩薩で終わる。
紀年銘は、「カーン」の右上に刻む | 紀年銘:「天文四年(1535)」 |
不動明王の種子「カーン」の向って右上に「天文四年(1535)」の紀年銘が刻まれている。
板碑、最下部
多数の交名を刻んでいるが、判読不明。
源光寺(げんこうじ)阿弥陀三尊種子板碑 (埼玉県北葛飾郡松伏町上赤岩1099)
源光寺(げんこうじ)阿弥陀三尊種子板碑 (鎌倉時代後期 元応元年 1319年、緑泥片岩、高さ 78Cm 下幅 27Cm)
頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻き、上方に阿弥陀三尊の種子、下方中央に「元応元季(1319)十二月」の紀年銘、左右に花瓶を刻む。
阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」を蓮華座上に、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を蓮華座なしに刻む。
源光寺(げんこうじ)板碑群
後列、右側が十三仏板碑。前列、向って右側が阿弥陀三尊種子板碑、左側が阿弥陀一尊種子板碑(高さ 53Cm)で紀年銘は不明。
*東武伊勢崎線 新越谷駅東口からタローズバス 松伏高校経由 東埼玉テクノポリス行きに乗車、「松伏第二中学校バス停」下車 西方向へ約200m。または、JR武蔵野線 越谷レイクタウン駅前からタローズバス 松伏小学校入口経由 タローズ本社行きに乗車、「松伏第二中学校バス停」下車、西方向へ 約200m。バス停は、源光寺の裏側にあたる。
(撮影:平成24年11月14日)