真福寺(しんぷくじ)(埼玉県さいたま市北区今羽町106)
真福寺板碑群のなかで最も新しい 室町時代後期 天文二十年(1551)の在銘で、天蓋(てんがい)様の光明真言が珍しい。
真福寺 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、室町時代後期 天文二十年 1551年、緑泥片岩、高さ 84Cm 下幅 33Cm)
身部は、阿弥陀三尊の種子を蓮華座上月輪内に、下方に「帰真言翁元枕庵主霊位」の造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
板碑 頭部
頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く。
主尊 阿弥陀種子の上部と左右、天蓋状に光明真言が梵字で刻まれている。
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャナ、マ、カーボ、ダラ、マ、ニ、ハンドマ、ジンバラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
身部上方、蓮華座上月輪内に「阿弥陀三尊」の種子を刻む。 | 中央の刻銘:「帰真言翁元枕庵主霊位」 |
阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする。
身部、下方の刻銘
下方中央に「帰真言翁元枕庵主霊位」、向って右に「天文廿年(1551)、辛未」、左に「九月廿日」と刻む。
刻銘:「九月廿日」 | 刻銘:「天文廿年(1551)、辛、未」 |
尚、本板碑は「新編武蔵風土記稿」に天文二十年の古碑として記載されている。
真福寺(しんぷくじ) 板碑群
写真、向って右から五基目が本板碑で、その内 四基が市の文化財に指定されている。
*埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル) 「今羽(こんぱ)駅」下車、北方向へ徒歩 約5分。
(撮影:平成24年11月13日)