金剛院(こんごういん)阿弥陀三尊図像板碑

 金剛院(こんごういん)(埼玉県加須市騎西町大字根古屋485)

   来迎阿弥陀三尊を線刻する板碑で、図像板碑では日本最大を誇る。鎌倉時代中期の造立と推定されている。

金剛院阿弥陀三尊図像板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期、緑泥片岩、高さ 314Cm 下幅 129Cm 厚さ 17Cm)

門内参道、左手に立つ。板碑は、身部上半に来迎阿弥陀三尊を線刻する。図像板碑としては、日本最大の高さ314Cm(下幅129Cm)。

板碑 上部

頭部は低い山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く。

身部上方に、薄く一重線の輪郭が残っている。

来迎阿弥陀三尊

中尊の来迎相阿弥陀如来は大きく、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩を線刻する。

三尊とも蓮座上に立ち頭光を負う。中尊の阿弥陀如来は、正面を向き頭部から光明を放射する。脇侍の観音・勢至は、やや腰をかがめ向かい合う。

来迎阿弥陀三尊、中尊 阿弥陀如来

勢至菩薩、胸前で合掌する。 観音菩薩、蓮台を捧げ持つ。

来迎阿弥陀三尊 脇侍

身部 下方

下方に大きな貫通孔があり、倒伏を防ぐため石を挿しこんだという説と、経典や遺骨を納めたという説がある

現地説明板の図像 板碑の側・背面

現地説明板によれば、板碑はもと騎西城の大手門近くにあったもので、今でもこの付近を「石阿弥陀耕地」と呼んでいる。

 金剛院(こんごういん)板碑群

板 碑 群 全 景

大板碑の横に置かれている。 中・小の断碑や、残欠で、完存するものはない。

阿弥陀種子板碑(鎌倉時代、緑泥片岩、94Cm) 阿弥陀種子板碑残欠(緑泥片岩)

向かって左、阿弥陀種子板碑は荘厳体で彫られ、阿弥陀種子の上に三個の宝珠(三弁宝珠)を刻む。身部に二重線の輪郭がある。

阿弥陀種子板碑残欠、阿弥陀の種子「キリーク」を刻む 種子板碑残欠
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種子板碑残欠、下方にも種子が刻まれている 胎蔵界大日種子板碑、胎蔵界大日の種子「ア」を刻む

小板碑残欠

阿弥陀の種子が刻まれたものが多い。

 大英寺(だいえいじ)阿弥陀三尊図像板碑                     石仏と石塔-目次!

金剛院(真言宗智山派)

本尊は、不動明王。

 板碑(いたび)

*東武伊勢崎線 加須駅前から朝日バス 鴻巣駅・免許センター行きに乗車、「根古屋バス停」下車 、東方向へ 徒歩6分。

(撮影:平成22年4月9日、平成25年3月7日)