大福寺(だいふくじ)(埼玉県加須市内田ケ谷1110)
騎西地区で最も古く、日本でも屈指の古さを誇る 天福二年(1234)の紀年銘がある板碑。
大福寺 阿字一尊種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代前期 天福二年 1234年、緑泥片岩、高さ 191Cm 下幅 83Cm)
門を入った参道左手、九基並んだ板碑の中央に立つ。騎西地区で最も古く、日本でも屈指の古さを誇る 天福二年(1234)銘が入る。 |
板碑 頭部
頭部山形は、背が低く古様を示す。下に幅の狭い二段の切込をつくり、塔身には二重線の輪郭を巻く。
身部 上方
塔身上部に大月輪を刻み、内に胎蔵界大日如来の種子「ア」を大きく薬研彫する。
身部 下方
胎蔵界大日の種子「ア」の下方に広い空白をつくり、下辺に大きい蓮座をつくる。
通常、板碑の正面にある紀年銘は、向かって右側面 下方に「天福二年(1234)、大才、甲午、七月廿一日」と刻まれている。 |
大福寺(だいふくじ)阿弥陀一尊種子板碑 (緑泥片岩、高さ 80Cm 幅 43Cm 厚さ 4Cm) |
頭部の山形を欠損、下に二段の切込、塔身は二重線の輪郭を巻き、上方に三弁宝珠、下に荘厳体で阿弥陀の種子「キリーク」を薬研彫する。下半身を欠失。
大福寺(だいふくじ)(埼玉県加須市内田ケ谷1110)
大福寺(だいふくじ)普賢一尊種子板碑(鎌倉時代中期、緑泥片岩、高さ 112Cm 下幅 43Cm 厚さ 8Cm) |
頭部山形、下に二段の切込をつくる。塔身は、上方に普賢菩薩の種子「アン」を薬研彫する。下方の刻銘は、摩耗が激しく読めない。
頭部の山形が低く、蓮座なしに直接主尊種子「アン」が刻まれている。また、厚さが 8Cmと重量感があるなど、鎌倉時代中期の特長を備えている。
大 福 寺 (だいふくじ)
大福寺は、平安時代末期、道智氏の一族、多賀谷氏が館を構えた所といわれている。
*東武伊勢崎線 加須(かぞ)駅前から朝日バス 鴻巣駅・免許センター行きバスに乗車、「騎西1丁目バス停」下車 、西北方向へ 約1.7Km。
(撮影:平成22年4月9日、平成25年3月7日)