大英寺(だいえいじ)(埼玉県加須市騎西1404)
釈迦と阿弥陀、両如来の種子を刻み、「二尊(釈迦・阿弥陀)の教えに導かれ、広く浄土の門を開く」と記す偈(げ)も刻む。大英寺を代表する板碑で、弘安九年(1286)の造立。
大英寺 二尊種子板碑(中央) (市指定文化財、鎌倉時代中期 弘安九年 1286年、緑泥片岩、高さ 144Cm 下幅 45Cm)
板碑群、向って左から二基目。身部は蓮座上に、釈迦種子「バク」(上)と荘厳体阿弥陀種子「キリーク」(下)を大きく薬研彫する。 |
板碑 頭部
頭部は低い山形、下に二条線、身部は二重線の輪郭を巻く。
釈迦種子「バク」と荘厳体阿弥陀種子「キリーク」 | 身部下方、中央に紀年銘、左右に観無量寿経疏に出る偈(げ)を刻む。 |
釈迦と阿弥陀を並立させ、天台の本尊 釈迦如来の功徳により、浄土への往生を助成する。天台浄土教の思想を表現する板碑。(「板碑概説」服部清道 著)
板碑、下方の刻銘
中央に「弘安九年(1286)二月 日」の紀年銘、
左右に「十方恒沙仏、六通照知我」 「今乗二尊教、広開浄土門」の観無量寿経疏に出る偈(げ)を刻む。
観無量寿経疏 に出る偈(げ)
偈(げ):「十方恒沙仏(じっぽうごうしゃぶつ)、六通照知我(ろくつうしょうちが)」「今乗二尊教(こんじょうにそんきょう)、広開浄土門(こうかいじょうどもん)」
[ 十方無数におられる仏は、六通力により我を照知している。今、二尊(釈迦・阿弥陀)の教えに導かれて、広く浄土の門を開く ]
浄土宗では、「帰三宝偈」と称し、重要な聖典なっている。
刻銘:「弘安九年(1286)二月 日」 | 根部は、片側に大きく張出す。その一部が、下方右側に見える。 |
大 英 寺 板 碑 群
本堂に向かって右前方、鐘楼横に立つ五基の大形板碑。
*東武伊勢崎線 加須(かぞ)駅前から朝日バス 鴻巣駅・免許センター行きバスに乗車、「根古屋バス停」下車 、南方向へ 約600m。
(撮影:平成22年4月9日、平成25年3月7日)