妙光寺(みょうこうじ)不動種子板碑

 妙光寺(みょうこうじ)[埼玉県加須市牛重(うしがさね)1713]

   不動明王の種子「カーン」を主尊とする珍しい板碑で、鎌倉時代中期 文永六年(1269)の紀年銘がある。

妙光寺不動種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期 文永六年 1269年、緑泥片岩、高さ 166Cm 下幅 41Cm)

本堂前に立っている。身部は、上方に不動明王の種子「カーン」を蓮華座上に、下方は法華経 如来神力品」に出る偈、紀年銘 等を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形、下に二段の切込、身部は二重線の輪郭を巻く。

不動明王の種子「カーン」を蓮華座上に薬研彫する。 身部、下方の刻銘

刻銘は、中央に「文永六年(1269)、己巳七月廿八日 為平、頼、入、左右に「法華経 如来神力品」に出る偈(げ)を刻む。

於我滅度後  → 應受持斯経 → 是人於仏道 → 決定無有

「法華経 如来神力品」に出る偈(げ)

偈(げ):「於我滅度後(おがめつどご)、応受持斯経(おうじゅじしきょう)」「是人於仏道(ぜにんおぶつどう)、決定無有疑(けつじょうむうぎ)

[ 我が(釈迦)滅度(命終)の後に於いて、まさにこの経を受持すべし、この人仏道において、決定して疑いあることなし ]

刻銘:「文永六年(1269)、己巳、七月」 板碑、側・背面

板碑設置用石材

妙光寺 本堂

正応五年(1292)銘をはじめとする萩原家 題目板碑 三十三基も当寺に移管されている。

 金剛院(こんごういん)阿弥陀三尊図像板碑                     石仏と石塔-目次!

妙光寺(みょうこうじ)(日蓮宗)

妙光寺は、室町時代初期 応永元年(1394) 日栄上人の開山と伝える。

 板碑(いたび)

*東武伊勢崎線 加須駅前から朝日バス 鴻巣駅・免許センター行きバスに乗車、「根古屋バス停」下車 、東方向へ 徒歩 約10分。

(撮影:平成25年3月7日)