吉祥院(きちじょういん)(埼玉県川口市南町2-6-8)
阿弥陀種子の下方を一対の華瓶(けびょう)で荘厳する板碑で、鎌倉時代中期 弘安九年(1286)の紀年銘がある。
吉祥院(きちじょういん)阿弥陀一尊種子板碑(鎌倉時代中期 弘安九年 1286年、緑泥片岩、高さ 113Cm 幅 37Cm)
門内参道、右手に立つ。身部は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮座上に、下方中央に紀年銘、左右に一対の花瓶を刻む。 |
板碑 頭部
頭部は低い山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。
身部上方、蓮座上に「阿弥陀」の種子「キリーク」を刻む。 | 身部下方 |
下方の刻銘は、中央に「弘安九年(1286)十一月 日」、左右に一対の「花瓶」が刻まれている。
花瓶 (けびょう)
仏前に花を供えるための壺で、ここでは左右対称に一対、蓮華も含め写実的に表現されている。
花瓶の古い例に、不動寺 康元二年(1257)銘 阿弥陀種子板碑がある。
刻銘:「弘安九年(1286)十一月」 | 花瓶は胴が張り、帯線を入れ、高台(脚)は下に広がる。 |
吉祥院(きちじょういん)板碑群
覆屋の下、四基の板碑が安置されている。
吉祥院(きちじょういん)本堂
吉祥院は真言宗智山派の寺院で、本尊の毘沙門天は武州川口七福神の一つに数えられている。
*JR京浜東北線「川口駅」下車、西方向へ徒歩 約18分。
(撮影:平成25年3月9日)