大霊神社 天文二十二年銘 題目板碑

 大霊神社(たいれいじんじゃ)題目板碑(埼玉県秩父郡東秩父村御堂1533)

  大霊神社境内に立つ板碑群の内、最も大きく、僧俗併せて113名もの交名を刻んだ結衆板碑。室町時代後期 天文二十二年(1553)の紀年銘がある。

大霊神社 題目板碑(中央)村指定文化財、室町時代後期 天文二十二年 1553年、緑泥片岩、高さ 222Cm 下幅 56Cm)

大霊神社境内、県道に面して立つ題目板碑 五基の内、中央の板碑。題目の下に「奉読誦大乗妙典千部供養」と刻まれている。

板碑 頭部

頭部山形は損傷する。下に二条線、身部は一重の輪郭を巻き、輪郭内最上部の左右に日・月を刻む。

身部、上方の刻銘 身部、下方の刻銘

身部上方は、中央に「南無妙法蓮華経」左右に「南無多寶如来」、「南無釈迦牟尼佛」を蓮華座上に刻み主題両尊(題目三尊)とする。

身部中央は、「奉読誦大乗妙典千部供養」、左右に「南無末法大導師日蓮大聖人」、「南無日朗聖人代々聖人」と刻む。

身部下方、中央は「願主」、左右に「天文廿二年(1553)大歳、癸丑、二月時正」、「浄蓮寺宗徒中檀那、敬白」と刻む。

「奉読誦大乗妙典」の左右に、各「逆修」の文字、残る面に合計113名の交名が刻まれている。交名は、上方に日出、日徳などの日号の他、下方に一般衆徒の名も見える。

また、板碑の消滅期 直前に合計113名もの交名を刻んだ日蓮宗の結衆板碑として注目に値する。更に、この板碑にも松山城主 上田氏の菩提寺 浄蓮寺衆徒の刻銘がある。

身部の交名

「逆修」のすぐ下の交名は「日出」「日徳」など日号を有する僧名が刻まれている。

「日出」は浄蓮寺第八代住職、また四段目には浄蓮寺第十代住職「日慶」の名もある。

刻銘:「奉読誦大乗妙典千部供養」 刻銘:「天文廿二年(1528)

身部、下方

下方は、枠外にも交名が刻まれているが、摩耗が進んでいる。

板碑群中最大の板碑で、、僧俗併せて113名もの交名を刻む。 板碑背面、二分断され、補強枠がはめられている。

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大霊神社(たいれいじんじゃ)千部供養 板碑群

中央に立つ板碑が、天文二十二年(1553)銘 題目板碑

 板碑(いたび)

*東武東上線 JR八高線 小川町駅前からイーグルバス 白石車庫前行きに乗車、「御堂バス停」下車、東方向へ徒歩 約4分。

(撮影:平成24年11月12日)