須藤家(すどうけ)阿弥陀三尊種子板碑

 須藤家(すどうけ)十三仏種子板碑(埼玉県東松山市1-11-59)

   阿弥陀三尊の主尊「キリーク」を三弁宝珠と光明真言で荘厳した板碑で、南北朝時代末期 嘉慶三年(1389)の在銘。二分断されているのが惜しまれる。

須藤家 阿弥陀三尊種子板碑(南北朝時代後期 嘉慶三年 1389年、緑泥片岩、高さ 108Cm 下幅 33Cm)

門内左手、小堂内 十三仏板碑の横にある。板碑は、主尊 阿弥陀種子の蓮座部で二分断され、上下部並んで置かれている。

身部は、阿弥陀三尊種子を蓮華座上月輪内に薬研彫し、下方に紀年銘と「秀光禅尼、逆修」と刻まれている。

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を蓮華座上月輪内に刻み阿弥陀三尊とする。

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く。額部は、薄く突出する。

阿弥陀如来の種子「キリーク」(阿弥陀三尊 主尊)

月輪は梵字で光明真言、頂部は三弁宝珠を刻み主尊の「キリーク」を荘厳する。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ、マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑、下部

中央に「嘉慶三年(1389)、己巳、三月日」、左右に「秀光禅尼、逆修」の刻銘がある。

秀光禅尼の逆修供養として、南北朝時代 末期 嘉慶三年(1389)に造立された。

直、背面に甲申、文政七年(1824)三月日、地ヨリ出本宿須藤要七」の文面がある。

 上田朝直(うえだともなお)建立 題目板碑                      石仏と石塔-目次!

小堂に安置されている石仏と板碑

阿弥陀三尊板碑は、十三仏板碑の向って右下に置かれている。

 板碑(いたび)

*東武東上線 「東松山駅」下車、東口より北東方向へ徒歩 約20分。

(撮影:平成24年11月11日)