清見寺(せいけんじ)(埼玉県東松山市大字上野本1683)
心の文字を台座にして、胎蔵界大日如来の種子「ア」を力強く刻んだ板碑で、建長元年(1249)の紀年銘がある。
清見寺 阿字一尊種子板碑(中央)(市指定文化財、鎌倉時代中期 建長元年 1249年、緑泥片岩、高さ 130Cm 下幅 62Cm)
三基並んで檀上に立つ中央の板碑。身部上方に、胎蔵界大日如来の種子「ア」を心字座上に薬研彫し、下方に紀年銘を刻む。 |
板碑 頭部
頭部山形は低く、古様を示す。下に二条線、塔身の郭線は刻まない。
身部 上方
胎蔵界大日如来の種子「ア」を心字座上に、力のこもった文字で大きく薬研彫する。
心字座を刻む板碑は珍しく、他に延命寺 阿字一尊種子板碑(東京都板橋区)、香林寺 阿字一尊種子板碑(埼玉県東松山市)がある。
梵字「ア」は、字音の初めで万物の始原を象徴する文字でもある。 | 刻銘:「建長元年(1249)、大才己酉、十一月十五日」 |
板碑 下部
紀年銘の「建長元年(1249)、大才己酉、十一月十五日」だけが、小さなな文字で刻まれている。
板碑 背面
清見寺 (せいけんじ)(曹洞宗)
*東武東上線 「東松山駅」下車 、南南東方向へ 約2Km。
(撮影:平成22年11月19日)