浄光寺(じょうこうじ)(埼玉県東松山市大字下青鳥126)
庚申待(こうしんまち)の結集により造立された板碑で、東松山市内で最後につくられた板碑。天正十三年(1585)の紀年銘がある。
浄光寺 庚申待板碑(市指定文化財、安土桃山時代 天正十三年 1585年、緑泥片岩、地上高 130Cm 幅 49Cm)
板碑は門内参道の左手、覆屋内 左端に立つ。身部中央に釈迦如来の種子「バク」、その下に三具足と前机、下方に紀年銘を刻む。 |
板碑 上部
頭部山形、その下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く。輪郭内上方の左右に日月、中央に天蓋を刻む。
身部上方 | 身部下方 | |
天蓋の下、釈迦如来の種子「バク」、左右に「申待」「供養」 | 種子・蓮華座の下に三具足、前机、その下に紀年銘を刻む。 |
三具足 (みつぐそく)・前机(まえつくえ)
前机に敷布をかけ、卓上は三具足(中央に香炉、向って右に燭台、左に花瓶)を置く。
庚申待板碑の主尊は、釈迦如来(バク)を刻んでいる。 | 下方の刻銘:「天正拾三年(1585)、乙酉、十月廿・・・」 |
庚申待の主尊といえば青面金剛を思いうかべるが、青面金剛が主尊として現れるのは安土桃山時代 天正十九年(1591)からで、この板碑はそれ以前のもの。
板碑 下部
身部下方に「天正拾三年(1585)乙酉十月廿・・・・」の紀年銘を刻む。
その他、妙春、妙貞など約四十名の交名が刻まれている。
浄光寺正嘉元年銘断碑(鎌倉時代中期 正嘉元年 1257年、緑泥片岩、地上高 93Cm 幅 37Cm)
蓮華座上部、種子の一部を残し斜めに割れ、上部を欠失する。身部下方の銘文は、摩耗があるが残っている。
銘文:中央に「正嘉元年(1257)丁巳九月 日」、左右に「右過去慈父為口口」「十三回忌辰造立如件」と刻む
浄光寺参道に三基並んで立つ板碑 (移転前、平成22年11月19日撮影)
板碑は現在、新造の覆屋内に納められている
*東武東上線 「東松山駅」下車、南西方向へ 約1.7Km。平成24年11月11日に最訪時、門内左手に覆屋が新築されていて、その中に板碑が集めて置かれていた。
(撮影:平成22年11月19日、平成24年11月11日)