馬込(まごめ)名号板碑(寅子石)

 馬込(まごめ)名号板碑(寅子石)(埼玉県蓮田市馬込)

   「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んだ浄土真宗の板碑で、背面に「銭已上佰五十貫(ぜにいじょうひゃくごじゅっかん)」の刻銘がある。

馬込 名号板碑 (県指定文化財、鎌倉時代後期 延慶四年 1311年、緑泥片岩、高さ 400Cm 下幅 80Cm 厚さ 15.6Cm)

馬込辻谷共同墓地の中央に立っている浄土真宗の板碑。身部いっぱいに「南無阿弥陀仏」の六字名号、下部に造立趣旨・紀年銘を刻む

板碑 上部

頭部の山形は高く尖っている。下に二段の切込をつくり、身部は二重線の輪郭を巻く

蓮座上に、「南無阿弥陀仏」の名号を大きく薬研彫する。埼玉県で二番目に高い板碑で、寅子石、虎御前とも呼ばれる。

板碑、下方の刻銘

中央に「延慶四(1311)辛亥、三月八日、敬白、左右に「報恩真仏法師」、「大発主釈唯願」の刻銘がある。

真仏(しんぶつ)法師の五十四回忌祥月命日にあたり報恩供養の為、釈唯願が大発願主となり、勧進して、延慶四年(1311)三月八日に造立した。

高田真仏(正嘉二年 1258年三月八日没)は、浄土真宗の開祖である親鸞(しんらん)の高弟で、浄土真宗の関東布教の中心となった人物。

背面、銭已上佰五十貫の刻銘 板碑 背面、低い位置に左記刻銘がある。

背面に「銭已上佰五十貫(ぜにいじょうひゃくごじゅっかん)の刻銘があり、建立に銭百五十貫(当時の米換算で百五十石)を要した。

板碑の説明を刻んだ石碑

 法光寺(ほうこうじ)十三仏種子板碑                          石仏と石塔-目次!

馬込 名号板碑 背面 (県指定文化財、鎌倉時代後期 延慶四年 1311年)

 板碑(いたび)

*JR東北本線線 蓮田駅から国際興業バス 小児医療センター行きに乗車、終点「小児医療センターバス停」下車 南西方向へ徒歩 約8分。

(撮影:平成22年4月11日、平成25年3月10日)