岩戸寺(いわとじ)八面石幢(せきどう)・石造仁王像

 岩戸寺(いわとじ)(大分県国東市国東町岩戸寺1232)

岩戸寺八面石幢(県指定文化財、室町時代中期 文明十年 1478年、安山岩、高さ 256Cm)

上から、宝珠・請花・反花・笠(八角)
八面石幢は、参道を100m位行くと右側、国東塔の手前に立っている 龕部は八面で、地蔵六体と阿弥陀三尊・閻魔王(えんまおう)を刻む

石幢の中台は、大きな単弁を彫り出している

龕部(がんぶ)に舟形を彫り、三体ずつ異なる持物の地蔵菩薩立像を刻む(計六体、六道から亡者を救う)

六道は、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道の六つで、衆生が自ら作った業(ごう)により六つの世界を生死輪廻する

地蔵三体の前に阿弥陀三尊を刻む 地蔵三体の次に閻魔王と司命・司録の三像を刻む

阿弥陀と閻魔(えんま)は、八面の前後となる。閻魔に裁かれた亡者を六道から救う地蔵、救われたものを極楽に阿弥陀が迎える

龕部(がんぶ)に舟形を彫り、三体ずつ持物を異にする地蔵菩薩を刻む(計六体、六道から亡者を救う)

基礎は八角で、頂部に複弁反花を刻みだす

竿の刻銘:「豪範為現世安穏後生善処」 竿の刻銘:「権少僧都豪隆、為頓証菩提、弟子敬白」

石幢(せきどう)の竿三面に刻銘があり、豪範が先師 豪隆と自らの逆修供養の為、文明三年(1478)に造立した

竿の刻銘:「文明十年(1478)戊戌十月九日」 岩戸寺宝篋印塔(南北朝中期、安山岩、高さ 222Cm)

宝篋印塔は、基礎から相輪までの高さ 173.5Cm、基礎は頂部が三段で側面 二区格狭間入り、塔身は四面無地で正面上部に追納孔を穿つ。笠の段型は、下二段、上四段。

  岩戸寺(いわとじ)石造金剛力士立像(県指定文化財)

金剛力士立像は参道入口の両側に立つ。室町時代中期の文明十年(1478)の制作で、国東半島の石造仁王像の中で一番古い

金剛力士吽(うん)像(県文、室町中期、安山岩、像高 135Cm) 金剛力士阿(あ)像(県文、室町中期、安山岩、像高 140Cm)

阿像の背面に文明十年戊戌十月二日 大願主豪範 他の刻銘があり石幢と同時期に作られたことがわかる

 熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)                              石仏と石塔-目次!

吽像の背面にも室町時代中期の文明二年戊戌十月二日 大願主豪範の銘文がある

 石  仏-紀年順-目次                            石 幢 (せきどう)  

*JR大分駅前又は杵築バスターミナルより大分交通バス「国東行き」乗車、終点国東で乗り換え、岩戸寺行きに乗車「岩戸寺バス停」下車、北西方向へ 徒歩約8分。但し、本数と時刻が合わないため、ほとんど役に立たない。私の場合は、国東市サイクリングターミナル(国東行きで「黒津崎バス停」下車、徒歩5分)で自転車を借りて行った。

(撮影:平成20年11月18日)