小村薬師堂(おむらやくしどう)五輪塔

 小村薬師堂(おむらやくしどう)(宮崎県宮崎市生目字一丁田)

  古遺品の少ない鎌倉時代前期の五輪塔で、貴重な寛喜四年(1232)の紀年銘がある。

小村薬師堂(おむらやくしどう)五輪塔 (市指定史跡、鎌倉時代前期 寛喜四年 1232年、凝灰岩、高さ 137Cm)

 
  小村薬師堂の向かって右奥に立つ五輪塔で、日本石造美術事典(川勝政太郎 著)には「一丁田薬師堂五輪塔」として紹介されている。 

空・風 輪

一石で彫成。空輪は蓮のつぼみ型。風輪は、枡形の四隅を上から斜めに切って面取りする珍しい形。

両輪とも古式を感じる。

火 輪

火輪は軒反りが少なく、高さは 横幅に比べやや低い。上部に枘穴あり、空・風輪とは枘でつなぐ。

水 輪

どっしりとして安定感がある水輪で、四方に月輪を線刻し、内に蓮座と梵字「ア」を美しく薬研堀する。

水 輪

正面の梵字の横に三行、「翁丸塔」、「寛喜四年(1232)、壬辰、十一月四日」、「子剋逝去畢」の刻銘がある。

刻銘:翁丸塔、寛喜四年、壬辰、十一月四日、子剋逝去畢」 五輪塔、横面

尚、寛喜四年(1232)は四月一日迄で、遺品の十一月四日は改元されており、貞永元年になる。

五輪塔 地輪

やや大ぶりで、後補と思われる。

薬師堂 境内

境内には、多くの石憧がある。

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小村薬師堂(おむらやくしどう)

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*JR日豊本線 宮崎駅前から、宮崎交通バス「生目台西一丁目バス停」下車、西方向へ約600m。

(撮影:平成26年5月29日)