大迫寺跡(おおさこじあと)(宮崎県日南市大字吉野方内ノ迫)
頭部を欠損する板碑で、先師の三十三回忌の供養として造立された。南北朝時代中期 正平二十五年〈1370・南朝年号〉の紀年銘がある。
大迫寺跡 金剛界大日種子板碑(県指定文化財、南北朝時代中期 正平二十五年 1370年、凝灰岩、高さ 173.5Cm 幅 53.5Cm)
大迫寺跡石塔群内、後方中央に立つ。頭部は欠損、身部は上方に金剛界大日種字、下方に造立趣旨及び紀年銘を刻む。 |
身部 上方
蓮座上に金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。
蓮座下に墨書きの弧線が残っている。
身部の文章 (墨書と刻銘が混在する) | 刻銘:「正平弐十五季(1370)、庚戌、卯月八日」 |
板碑、身部の文章
身部の文章は、向って右から「相當 先師(方口)恵 和尚位 弎(三)十三回 遠忌」、
「正平弐十五季(1370)、庚戌、卯月八日、門徒、各・・」、「・・・・・・・・(墨書で不明)」とあり、刻銘と墨書(青字)が混在する。
※ (方口)は、一字。「九州の石塔 下巻」(多田隈 豊秋 著)では、「弘」と読んでいる。
一行目 下部:「弎(三)十三回 遠忌」 |
一行目 上部:「相當 先師(方口)恵 和尚位」 |
根 部
根部は突出する。
側面部
大迫寺跡(おおさこじあと)天正五年銘板碑 二基 石仏と石塔-目次!
大迫寺跡(おおさこじあと)石塔群〈部分)
本板碑は、後方、宝塔と五輪塔の中央に立つ。
*JR日南線 「飫肥駅」下車、西方向へ 徒歩 約40分。駅前にレンタサイクルがある。
(撮影:平成26年 5月29日)