大迫寺跡(おおさこじあと)永正二年銘五輪塔

 大迫寺跡(おおさこじあと)(宮崎県日南市大字吉野方内ノ迫)

  室町時代中期 永正二年(1505)の紀年銘がある五輪塔で、この頃のものとしては大型。

大迫寺跡(おおさこじあと)五輪塔 (県指定文化財、室町時代中期 永正二年 1505年、凝灰岩)

 
  整った五輪塔で、各輪に五輪塔四方の梵字を刻んでおり一具のものと思われる。また、刻銘から「大僧都 重快」の墓塔と推定される。 

五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

風・空 輪

一石からなる。空輪は宝珠の形。

火 輪

軒は緩やかに反っている。全体に四門の梵字は、小さく書体も弱々しい。

水 輪

下方がややすぼむ。梵字「バ」の両側に刻銘がある。

水輪の刻銘

刻銘:「大僧都 重快」、「永正二年(1505)乙丑、十口月九日」

地輪 (正面)

高すぎず、低すぎず、ほどよい高さで安定している。梵字は「ア」が刻まれている。

五輪塔群(部分)

本五輪塔は、向かって左から二基目。

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大迫寺跡(おおさこじあと)石塔群(部分)(県指定文化財、鎌倉時代後期~江戸時代)

本五輪塔は、後方 正平二十五年(1370)板碑の向って左側、五基目(左から二基目)。

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*JR日南線 「飫肥駅」下車、西方向へ 徒歩 約40分。駅前にレンタサイクルがある。

(撮影:平成26年 5月29日)