(北壇 南向き、東から2基目)
定善寺(じょうぜんじ)(宮崎県日向市大字財光寺7295)
釈迦滅後のおける法華経護持を後世に託す四句、その中の一句を刻んだ 室町時代後期 永正十二年(1515)銘 一連の板碑。
定善寺(じょうぜんじ)題目板碑 [ 室町時代後期 永正十二年(1515年)九月十五日銘、凝灰岩、高さ 81.7Cm ] |
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北壇南向き、向って右(東)から二基目の板碑。中央に大きく七字題目、その両側に法華経 如来神力品に出る偈、下方に紀年銘を刻む。 |
板碑、頭部
頭部山形、下に二条の切込、額部は突出する。やや、傷みがある。
板碑身部、折損し修復されている。 | 刻銘:「永正十二年、乙亥、九月十五日」 |
身部の刻銘は、中央に「南無妙法蓮華経」の七字題目、その両側に法華経 如来神力品に出る偈(げ)「如来一切」・
「自在神力」、下方向って右側に「奥口」、下方左側に「永正十二年(1515)、乙亥、九月十五日」の紀年銘が刻まれている。
資料(※)に出ている、同じ偈(げ)を刻み、「奥女」・「永正十一年(1514)、乙亥、九月」とある本板碑群最古の板碑は、本板碑のことと思われる。
※資料: 「宮崎県の題目板碑」久保常晴 著(立正大学 人文科学研究所年報 第8号)、「題目板碑とその周辺」阪田正一 著、但し 両著とも『日向ノ金石文』を基にしている。
下側板碑、下方
題目の、向って右下に「奥口」、左下に「永正十二年(1515)、乙亥、九月十五日」の紀年銘が刻まれている。
「如来一切」 → | 「自在神力」 |
法華経如来神力品に出る偈 (下側)
偈(げ):「如来一切(にょらいいっさい)自在神力(じざいじんりき)」
[ 如来の一切の自在の神力」 (如来の一切、自由自在の神通力。)
上記偈は、「如来一切所有之法。如来一切自在神力。如来一切秘要之蔵。如来一切甚深之事」
の四句、その中の一句で、四句は結要付嘱の四法と称し、釈迦滅後のおける法華経護持を付嘱する偈(げ)である。
北壇、南向き 題目板碑
本題目板碑は向って右から二基目。
定善寺(じょうぜんじ)題目板碑群 四十基 (室町時代後期〜江戸時代前期、凝灰岩)
向かって左側が北壇で背中合わせに各10基ずつ計20基、右側の南壇も背中合わせに各10基ずつ計20基の板碑が立つ。
*JR日豊本線 「日向市駅」から南方向へ徒歩 約15分。
(撮影:平成26年5月28日)