(南壇 北向き、東から1基目)
定善寺(じょうぜんじ)(宮崎県日向市大字財光寺7295)
上・下別々の板碑を一本に修復したもので、どちらも当板碑群では古い室町時代後期 永正十二年(1515)のもの。
定善寺(じょうぜんじ)題目板碑 [ 室町時代後期 永正十二年(1515年)八月日銘、凝灰岩 ] |
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南壇北向き、向って左端(東から一基目)の板碑。同じ永正十二年銘の板碑を上・下に繋ぎ合わせたもので、偈が上・下で合わない。 |
板碑、接合部
七字題目「南妙法蓮華経」の法の文字あたりでつながれている。
資料によると、上方が「永正十二年(1515)、乙亥、七月日」、下方が「永正十二年(1515)、乙亥、八月日」の紀年銘がある。
※資料: 「宮崎県の題目板碑」久保常晴(立正大学 人文科学研究所年報 第8号)、「題目板碑とその周辺」阪田正一 著、但し 両著とも『日向ノ金石文』を基にしている。
上側板碑、頭部
頭部山形、下に二条の切込、額部は突出する。
板碑、身部(上・下) | 下方板碑 銘:「永正十二年、乙亥、八月日」 |
刻銘は、上下とも中央に「南無妙法蓮華経」の七字題目、両側の偈は上が方便品・下が如来神力品に出る偈が刻まれている。
下側板碑、下方
中央に「日會」の名、向って左側に「永正十二年(1515)、乙亥、八月日」の紀年銘が刻まれている。
資料(※)によると、上側板碑は、中央に「沙門、日義」の名、向って左側に「永正十二年(1515)、乙亥、七月」の紀年銘が刻まれていた。
※資料: 「宮崎県の題目板碑」久保常晴(立正大学 人文科学研究所年報 第8号)、「題目板碑とその周辺」阪田正一 著、但し 両著とも『日向ノ金石文』を基にしている。、
「信力堅固者(上)、如来一切(下)」 → | 「諸佛弟子衆(上)、「所有之法(下)」 |
法華経方便品に出る偈 (上側)
偈(げ):「信力堅固者(しんりきけんごしゃ)諸仏弟子衆(しょぶつでししゅう)」
[ 信力(しんりき)堅固なる者は、諸仏の弟子衆である」
法華経如来神力品に出る偈 (下側)
偈(げ):「如来一切(にょらいいっさい)所有之法(しょうしほう)」
[ 如来の一切の所有(あらゆる)の法」 (法華経のこと。)
上記偈は、「如来一切所有之法。如来一切自在神力。如来一切秘要之蔵。如来一切甚深之事」
の四句、その中の一句で、四句は結要付嘱の四法と称し、釈迦滅後のおける法華経護持を付嘱する偈(げ)である。
南壇、北向き 題目板碑
本題目板碑は向って左端で、東壇の五輪塔に近い場所にある。
定善寺(じょうぜんじ)題目板碑群 四十基 (室町時代後期〜江戸時代前期、凝灰岩)
向かって左側が北壇で背中合わせに各10基ずつ計20基、右側の南壇も背中合わせに各10基ずつ計20基の板碑が立つ。
*JR日豊本線 「日向市駅」から南方向へ徒歩 約15分。
(撮影:平成26年5月28日)