本善寺(ほんぜんじ)(偈頌)題目板碑

 本善寺(ほんぜんじ)(宮崎県日向市日知屋1379-1)

   頭部を欠損する板碑で、紀年銘はなく法華経 譬喩品に出る偈(げ)が刻まれている。

-          本善寺(ほんぜんじ)題目板碑 (紀年銘なし、凝灰岩)         -
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板碑群、少し離れた左端に立つ。中央に七字題目、その両側に譬喩品に出る偈、下方に造立趣旨を刻む。

板碑、上方

題目の両側に法華経 譬喩品に出る偈(げ)、「其中衆生、悉是吾子」を刻む。

其中衆生 悉是吾子

法華経 譬喩品に出る偈

偈(げ):其中衆生(ごちゅうしゅじょう)、悉是吾子(しつぜごし)

[ その中の衆生は、悉(ことごと)く これ吾(わ)が子なり。]

板碑、下方

刻銘は、向って右側に「為阿闍梨日定三十三ケ口」、左に「日口の刻銘がある。

本善寺(ほんぜんじ)享禄四年銘題目板碑

 本善寺(ほんぜんじ)(宮崎県日向市日知屋1379-1)

   板碑群と別の廟内に立つ板碑で、室町時代後期 享禄四年(1531)の紀年銘がある。偈(げ)は、法華経 方便品に出る偈(げ)を刻む。

本善寺(ほんぜんじ)題目板碑 (室町時代後期 享禄四年、凝灰岩、高さ 84.9Cm 幅 22.4Cm)

板碑は、頭部山形、下に二条の切込み、額部は突出する。身部の刻銘は、中央に大きく「南無妙法蓮華経」の題目、

その左右に法華経 方便品に出る偈「十方佛土中、唯有一乗法」、下方は中央に「右為者依是等功要」

向って右に「為伊東祐邑御戒名、天惣御菩提奉造口」、左に「六親眷属七世父母、平等正覚乃至

法界、享禄四年(1531)、辛卯、八月二五日」の刻銘がある。

尚、伊東祐邑は伊豆 伊東氏の流れで、日向伊東氏12代当主 祐国の弟にあたり、文明18年(1486)に日知屋で害されたという。

法華経 方便品に出る偈(げ)

偈(げ):「十方佛土中(じっぽうぶつどちゅう)、唯有一乗法(ゆいういちじょうほう)

[ 十方の仏土の中には、ただ一乗の法のみあり

 妙国寺(みょうこくじ)(偈頌) 題目板碑                      石仏と石塔-目次!

廟内に立つ板碑

享禄四年(1531)銘板碑は、中央石碑の向って右に隣接する。

 板碑(いたび)

*JR日豊本線 「日向市駅」から南東方向へ 約2.3Km。

(撮影:平成26年5月28日)