来迎寺(らいごうじ)(京都府向日市物集女御所海道25)
金胎両部曼荼羅を表現した極めて珍しい板碑で、南北朝時代の作品と推定されている。
来迎寺両部曼荼羅板碑(市指定文化財、南北朝時代前期、凝灰岩、高さ 156Cm 幅 91Cm 厚さ 33Cm)
石棺の部材を使用し、上部に胎蔵界曼荼羅の中台八葉院、下方に金剛界曼荼羅の成身会(じょうじんえ)を種子で表現する |
中台八葉院(胎蔵界曼荼羅:たいぞうかいまんだら)
胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅の中核部にある開花した八葉の蓮弁に仏(ほとけ)の種子を刻む
弥勒菩薩の種子「ユ」 | 宝幢如来の種子「ア」 | 普賢菩薩の種子「アン」 |
天鼓雷音の種子「アク」 | 胎蔵界大日如来の種子「アーク」 | 開敷華王の種子「アー」 |
観自在菩薩の種子「ボ」 | 無量寿の種子「アン」 | 文殊菩薩の種子「ア」 |
胎蔵界曼荼羅 中台八葉院、中央の大日如来と四如来(黄文字色)・四菩薩(青文字色)
金剛界曼荼羅成身会(こんごうかいまんだらじょうじんえ)
金剛界(こんごうかい)曼荼羅の中核部、成身会(じょうじんえ)
大きな月輪を陽刻し、陰刻した線で九分割、中央に金剛界大日如来、上下左右に四如来の種子を薬研彫りする
阿弥陀如来の種子「キリーク」 | ||
宝生如来の種子「タラーク」 | 金剛界大日如来の種子「バン」 | 不空成就如来の種子「アク」 |
阿シュク如来の種子「ウーン」 |
金剛界曼荼羅 成身会(じょうじんえ)
最下部には蓮弁を二段葺きに陽刻した蓮華座が薄肉彫りされている
来 迎 寺
寛政年間(1460〜65)に錦空上人が浄土宗西山派念仏弘通(ぐずう)の道場として開創した寺院。
* 阪急京都線「洛西口駅」下車、西へ徒歩 約10分
(撮影:平成20年3月1日)