安養院(あんよういん)(神奈川県鎌倉市大町3-1-22)
反花座、基礎、塔身、露盤など輪郭を巻き、反花座を豪華にして塔に必要な部分とする関東形式を完備する代表的名品
安養院宝篋印塔(重要文化財、鎌倉時代後期 徳治三年 1308年、安山岩、高さ 335Cm)
塔身、金剛界四仏の種子(キリーク:阿弥陀)を月輪内蓮座上に刻む | ||
関東形式の最も古い遺品で浄土宗名越派開祖尊観上人の墓と伝える | 塔身、金剛界四仏の種子(タラーク:宝生如来)を蓮座上に薬研彫りする |
笠
段型は下二段、上五段で最上段は側面二区の露盤とし、隅飾は二弧輪郭付きでやや外傾する。
塔身、月輪内蓮座上に金剛界四仏の種子(ウーン:阿シュク)を薬研彫りする | ||
塔身、輪郭を巻き金剛界四仏の種子(アク:不空成就)を薬研彫りする | 相輪は後補。露盤は二区輪郭つきの関東形式 |
反花座下部は、輪郭を巻き二区格狭間で、上部は立派な複弁の反花座。基礎も輪郭を巻き二区で内部は無地
西面基礎、中央の束に「大檀那沙弥観杲」、向かって右の束に「大工沙弥心阿」の刻銘がある
鎌倉武士の在俗出家者と思われる沙弥観杲を中心とした結縁衆がこの石塔を造った
東面基礎、「徳治三年(1308)戊申七月日」の紀年銘 | 西面基礎、「大工沙弥心阿」の作者名 |
石大工 心阿は、箱根宝篋印塔 正安二年(1300)の追刻にその名が見られる。よって、この石塔も西大寺流に関係するものと考えられている
北条政子 供養塔(宝篋印塔、室町時代)
安養院を開基した北条政子の墓と伝えられる。安養院は政子の法名
嘉禄元年(1225)の銘が入っているが、もと無地の面に追刻されたもの
安養院本堂
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*JR鎌倉駅より南東へ、徒歩 約15分
(撮影:平成20年3月25日)