宇都(うと)(岩林寺跡)板碑群 (鹿児島県肝属郡南大隅町根占川南)
岩林寺(真言宗)の跡地に立つ板碑で、板碑では鹿児島県最古の正応六年(1293)の紀年銘がある。
宇都 阿弥陀種子板碑(県指定史跡、鎌倉時代後期 正応六年 1293年、凝灰岩、高さ 135Cm 下幅 53Cm 厚さ 29Cm)
板碑は、頂部山形、その下に二段の切込、身部上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、下部に正応六年(1293)の刻銘がある。 |
板碑 頭部
頭頂は三角形、下に二段の切込、額部(がくぶ)は突出する。
塔身 上部
阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する
板碑 下部
中央に「正應六年(1293)二月十一日」の紀年銘ある。
紀年銘の、左右に各一行刻銘の痕が残るが判読不明。
刻銘:「正應六年(1293)二月十一日」 | 頭部の切込は側面におよび、額部の突出はそれほど深くない。 |
板碑、側背面
板碑は、さほど高くなく、安定した台形をしている。また、板碑では鹿児島県最古の紀年銘がある。
現地 説明板
岩林寺跡に立つ板碑
当地の地頭職であった祢寝(ねじめ)氏ゆかりの板碑と推定されている。
*鹿屋(かのや)から三州バス 大泊行き乗車、「下諏訪バス停」下車、東方向へ約600mで諏訪神社に突き当り、手前の道を右方向へ約100m行った所にある。
(撮影:平成26年5月25日)