川田堂園(かわだどうぞの)供養塔群(鹿児島県鹿児島市川田町1238)
石塔群には三基の宝塔が立っているが、三基とも武士の供養塔らしく塔身・基礎とも側面は無地。その中で、本石塔が一番古いと推定されている。
川田堂園(かわだどうぞの)宝塔 (県指定史跡、推定:鎌倉時代後期、凝灰岩、高さ 197Cm)
石塔群最後方、二基の三重塔の後ろ側に立つ。基礎はやや高く無地、相輪は竜車と宝珠を欠損する。残念ながら、銘文は刻まれていない。
笠
笠の軒口は厚く、軒反は緩やか。笠裏に垂木型と隅木を作り出す。
塔身及び基礎 | 相輪、上端の竜車と宝珠を欠失する。 |
塔身は、上端に首部、側面は無地。基礎は高く、文様や刻銘はない。相輪は下から、露盤、請花(枡形)、九輪は七輪で、水煙は反花。上端の竜車、宝珠は欠失する。
川田堂園(かわだどうぞの)供養塔群(鹿児島県鹿児島市川田町1238)
上記 宝塔(1)と比べ、笠の軒反や相輪の細部に違いがみられ、わずかに時代が下がるものと思われる。
川田堂園(かわだどうぞの)宝塔 (県指定史跡、推定:南北朝時代、凝灰岩、高さ 228Cm)
石塔群 最前列、中央部に立つ。基礎は低く水蝕により傷んでいる。三基ある宝塔の中で一番大きい。 |
笠
笠の軒口は厚く、四隅で反る。笠裏に垂木型と隅木を作り出す。
塔身及び基礎 | 相輪、上端の竜車と宝珠を欠失する。 |
塔身は壺型で、上端に首部、側面は無地。基礎は低く、水蝕のため崩れかかっている。
相輪は下から、露盤、請花(枡形)、九輪、水煙(反花)で、上端の竜車、宝珠は欠失する。宝塔(1)の相輪に比べ、細部にこだわりが見られる。
川田堂園(かわだどうぞの)宝塔(榮尊塔) 石仏と石塔-目次!
川田堂園(かわだどうぞの)供養塔群 (県指定史跡、鎌倉時代後期〜室町時代)
当石塔群に宝塔は三基あり、写真の向かって右端が宝塔(1)、左端が宝塔(2)、中央が榮尊(榮存)塔
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*JR鹿児島中央駅前からJRバス 薩摩郡山行きに乗車、「南方校バス停」下車、南南西方向に徒歩 約4分。
(撮影:平成26年5月27日)