日木山(ひきやま)宝塔南塔

 日木山(ひきやま)宝塔(鹿児島県姶良市加治木町日木山485)

   二基並んで立つ宝塔の内、南側に立つ。塔身に金剛界四仏種子を刻んだ宝塔で、鎌倉時代中期 仁治三年(1242)の紀年銘がある。

日木山(ひきやま)宝塔 南塔(県指定文化財、鎌倉時代中期 仁治三年 1242年、溶結凝灰岩、高さ 約255Cm) 

相輪の上部を欠損、下の請花(枡形)も損傷する。笠軒が厚く、塔身は金剛界四仏の種子を刻む。全体に重厚な印象をあたえる。

上端は一段で、別石の露盤と相輪を受ける。屋根の傾斜は緩く、軒反は緩い。また、軒口は厚く、軒裏に隅木を刻出する。

塔身正面(西面)金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀如来) 塔身北面、金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就如来)

塔身、首部

上端の首部は低い。

塔身東面、金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来) 塔身 南面、金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)

東面 阿閦(あしゅく)種子「ウーン」の向かって左側に「仁治参年(1242)壬寅三月廿五日」の紀年銘がある。

基 礎

基礎の背は低く古式。

相  輪 塔身の刻銘:「仁治参年(1242)壬寅三月廿五日」

相輪は下から、露盤、請花(枡形)、九輪で、九輪は五輪を残し上部を欠失する。請花は枡形の上方が開く。

露 盤

露盤は側面二区で、各々格狭間をつくる。

日木山(ひきやま)宝塔 二基(県指定文化財、鎌倉時代中期、溶結凝灰岩、南塔:高さ 約255Cm 北塔高さ 約235Cm)

北塔の塔身には胎蔵界四仏の種子、南塔の塔身には金剛界四仏の種子が刻まれている。

尚、二基とも基礎上端中央部が彫りくぼめてあり、そこから人骨が発見されている。(「広報 かじき」:平成19年12月)

現地 説明板

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日枝神社

写真、向かって左下の道路脇に二基の宝塔が見える。

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*JR日豊本線「加治木駅」下車、北東方向に徒歩 約13分。日枝神社の西隣。

(撮影:平成26年5月27日)