日木山(ひきやま)宝塔北塔

 日木山(ひきやま)宝塔(鹿児島県姶良市加治木町日木山485)

   二基のうち北側に立つ宝塔。塔身に胎蔵界四仏種子を刻んだ宝塔で、今は風化の為読めないが鎌倉時代中期 寛元元年(1243)の紀年銘があった。

日木山(ひきやま)宝塔 北塔(県指定文化財、鎌倉時代中期 寛元元年 1243年、溶結凝灰岩、高さ 約235Cm) 

相輪は、下部のみが残る。塔身は、一部損傷しているが胎蔵界四仏の種子を刻み、南・北あわせて両界四仏種子を刻む。

相輪部

低い露盤の上、ハート形の切込を入れた請花(枡形)と下端だけの九輪が残る。

屋根の傾斜は緩く、軒は四隅で反り、笠下の垂木型は膨らみもって表現する。この重量感のある笠が、本塔を特長づける一要因となっている。

塔身正面(西面)胎蔵界四仏の種子を刻む(ア:宝幢如来、東) 塔身北面、胎蔵界四仏の種子を刻む(アー:開敷華王如来、南)

塔身には、「寛元元年(1243)癸卯七月口日」の紀年銘があったという。

塔身、首部

上端の首部は低い。

塔身東面、胎蔵界四仏の種子を刻む(アン:無量寿如来、西) 塔身 南面、胎蔵界四仏の種子を刻む(アク:天鼓雷音如来、北)

塔身の四仏種子は、損傷部が南向きで、傷が目立たないように置かれ、本来の向きと180度反転している。

基 礎

基礎の背は低く古式。

日木山(ひきやま)宝塔 北塔(県指定文化財、鎌倉時代中期、溶結凝灰岩)

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日木山(ひきやま)宝塔 二基(県指定文化財、鎌倉時代中期、溶結凝灰岩、南塔:高さ 約255Cm 北塔高さ 約235Cm)

北塔の塔身には胎蔵界四仏の種子、南塔の塔身には金剛界四仏の種子が刻まれている。

尚、二基とも基礎上端中央部が彫りくぼめてあり、そこから人骨が発見されている。(「広報 かじき」:平成19年12月)

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*JR日豊本線「加治木駅」下車、北東方向に徒歩 約13分。日枝神社の西隣。

(撮影:平成26年5月27日)