長尾寺経幢(ながおじきょうどう)(弘安九年銘)

 長尾寺(ながおじ)(香川県さぬき市長尾西653)

  天平十一年(739)行基が開いたといわれる古刹。四国八十八カ所 第八十七番札所。天和三年(1683)に真言宗から天台宗に改宗した。

長尾寺(ながおじ)経幢(重要文化財、鎌倉時代中期 弘安九年 1286年、凝灰岩、高さ 252Cm)

幢身上部に金剛界四仏の種子を薬研彫する(西面、タラーク:宝生如来)
山門の前、向かって右側の覆屋の中に立っている 幢身上部に金剛界四仏の種子を薬研彫する(北面、キリーク:阿弥陀如来)

弘安九年(1286)銘の経幢は、西側の経幢(弘安六年銘)を模して三年後につくられた

経幢 頂部

八角の笠と低い宝珠を一石でつくる

幢身上部に金剛界四仏の種子を薬研彫する(東面、アク:不空成就)
幢身上部に金剛界四仏の種子を薬研彫する(南面、ウーン:阿閦如来) 経幢は単制で、幢身は太い四角柱に大面取を施した形

経幢は、明治末年に本堂前から移された。現在、阿弥陀の種子「キリーク」が北面にあり、90度 反時計方向へ廻した方向が幢身本来の方向

繰 形 座

幢身の下に方形の繰形座を据える。かなり傷んでいる。

幢身北面に「弘安第九天(1286)歳次、丙戌五月日、大願主、大工・・、・・・と刻む。弘安九年(1286)に奉納されたことがわかる

経幢 (弘安九年銘)

山門前、向かって右側の覆屋

長尾寺 山門 (江戸時代前期 寛文十年 1670年建立)

山門の前、覆屋の中に二基の経幢が置かれている。弘安九年(1286)銘は向かって右側の覆屋の中

 白峯寺(しろみねじ)十三重石塔(東塔:弘安塔)                石仏と石塔-目次!

長尾寺 本堂

 石 幢 (せきどう)

*琴電 長尾線「長尾駅」下車、東方向へ 徒歩 約5分。又は、JR高徳線「造田駅」下車、南西方向へ徒歩 約40分。

(撮影:平成22年5月31日)