王壇(おうだん)阿弥陀種子石塔婆

 王壇(おうだん)(岩手県一関市花泉町老松字藤田)

  中世墳墓である「王壇塚」の中央に立つ大型石塔婆で、鎌倉時代後期 正中二年(1325)の紀年銘がある。

王壇(おうだん)阿弥陀種子石塔婆(市指定文化財、鎌倉時代後期 正中二年 1325年、粘板岩、高さ 188Cm 幅 53Cm)

中世墳墓である王壇塚の中央に立つ。 身部は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、下方に光明真言と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。

石塔婆 下部 刻銘:正中二年(1325)六月卅日」

石塔婆の下部中央に正中二年(1325)六月卅日」、左右に梵字で「光明真言」を刻む。

光明真言の梵字は、六字抜け、四字異なっている。(宮城縣史17 金石志)

石塔婆 背面

頭部は、斜めに加工してあるのが良く分かる。

王壇(おうだん)阿弥陀種子石塔婆(市指定文化財、鎌倉時代後期)

明治23年(1890) 王壇塚より人骨を納めた古瀬戸の蔵骨器が出土し、60歳以上の老齢男性が葬られていたことが判明している。

蔵骨器は、 高さ 35.5Cm 口径 9.7Cm。現在、魚波紋瓶子(ぎょはもんへいし)(重文)という名で名古屋市博物館に展示されている。

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王壇の周囲にある石塔婆群

20基余りが残っており、数基が南北朝時代の紀年銘を持つ。

 板碑(いたび)

*JR 東北本線 「花泉駅」下車、東南東方向へ約2.5Km。

(撮影:平成26年4月14日)