浅野(あざの)五輪塔(兵庫県養父市浅野436)
整った形状の五輪塔で、南北朝時代中期 延文五年(1360)の紀年銘がある。
浅野(あざの)五輪塔 (旧 養父町指定文化財、南北朝時代中期 延文五年 1360年、花崗岩、高さ 142Cm)
風・空輪 、新補で、四門の梵字は正面にのみ刻まれている。、 | ||
五輪塔は浅野橋の北東、宝篋印塔の西側に立っている。 | 水輪、肩の張った壺型。 |
隣接の宝篋印塔と一つの塔として積まれていたが、平成十一年(1999) 分離の上、風・空輪を新しく補い整備された。
火 輪
軒口厚く、両端で反る。笠の下端は水平で、先端は垂直に切る。
五輪塔は、新補の風・空輪を除き、各輪の四方に五輪塔四門の梵字を刻む。風・空輪は、正面にだけ梵字「キャー・カー」を刻んでいる。 |
五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ
キャ・カ・ラ・バ・ア (東方、発心門) キャー・カー・ラー・バー・アー (南方、修行門)
ケン・カン・ラン・バン・アン (西方、菩提門) キャク・カク・ラク・バク・アク (北方、涅槃門)
地輪、正面(南面)
中央の梵字「アー」を挟んで左右に「右志者為法界衆生也、沙弥道円、延文五(1360)七中旬」の刻銘がある。
刻銘:「沙弥道円、延文五(1360)七中旬」 | 刻銘:「右志者為法界衆生也」 |
刻銘は風化・摩耗が激しく、肉眼では痕跡のみが認められる。
地輪、背面(北面)
梵字「アク」を刻む。
宝篋印塔と並んで立つ五輪塔
五輪塔は二段の基壇上に立つが、基壇は新補。
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*JR山陰本線 八鹿駅前から全但バス 八鹿-大谷-明延線に乗車、「浅野バス停」下車 すぐ。浅野橋の北側から東へすぐ。民家の間に立っている。
(撮影:平成25年8月27日)