真光寺(しんこうじ)(兵庫県神戸市兵庫区松原通1-1-62)
時宗の開祖 一遍上人が長い遊行の後、当地で正応二年(1289)八月二十三日に入寂した。五輪塔は、一遍上人廟に立っている。
真光寺(しんこうじ)五輪塔 (県指定文化財、南北朝時代、花崗岩、高さ 195Cm)
風・空輪、(一石でつくられ、空輪は宝珠の形) | ||
五輪塔は、本堂に向かって左手前の一遍上人廟に立っている | 火輪、降棟(くだりむね)は鎌倉後期に比し、角度も深く長くなっている |
水輪の中央部に上から彫りこんだ孔があり、阪神大震災で五輪塔が倒壊した際、
備前焼の小壺に納められた遺骨が確認された。遺骨は、一遍上人のものである確率が高いといわれている
水輪、ほぼ球形をしている | ||
地輪、四面とも素面で刻銘はない | 五輪塔は、地輪と風輪の一部が欠損している |
基 壇
基壇は二段積みで、上段の上端に単弁の反花座を設ける
門前の石標「遊行元祖 一遍上人示寂之地」の刻名 | 境内に立っていた道標 |
一遍上人 廟
阿弥陀とはまよひさとりのみちたへて たゞ名にかよふいき仏なり
南無阿弥陀仏ほとけのみなのいづるいき いらばゝちすのみ(身)とぞなるべき
(死に当たって一遍の残した最後の歌)
真光寺(しんこうじ) 本堂
一遍没後、実質的に時宗教団として成立させたのは真教(他阿弥陀仏)であった。また、他阿弥陀仏の名は、代々の法灯を継ぐ聖に受け継がれた。
時宗二祖 真教(他阿弥陀仏)の墓(宝篋印塔)、三祖 智得の墓(宝篋印塔)は、相模原市の無量光寺の歴代廟所に立っている。
五輪塔紀年順 | 乗禅寺(じょうぜんじ)五輪塔(右列、右端)(南北朝時代) | 五輪塔-紀年順-目次 |
*JR山陽本線 「兵庫駅」下車 徒歩 約10分
(撮影:平成21年8月7日)