地徳寛墓地(じとくかんぼち)石幢

 地徳寛墓地(じとくかんぼち)石幢(兵庫県加古川市志方町細工所)

地徳寛墓地石幢(県指定文化財、室町時代前期 永享九年 1437年、凝灰岩、高さ 150.7Cm)

請花・宝珠、一石で彫成され請花は鉢形
石幢は、地徳寛墓地の入口に立っている 笠、六角で各隅を蕨手(わらびて)状につくる

石幢は、幢身の上に中台、龕部がある複制で、基礎を欠く。基礎を含めれば、高さが約180Cmになり、六尺塔として造立された。

龕部、右手錫杖、左手宝珠の地蔵菩薩 龕部、合掌する地蔵菩薩 龕部、両手で宝珠を持つ地蔵菩薩

龕部(がんぶ)

龕部(がんぶ)は六面で、二重光背形輪郭を彫りくぼめ、線刻の蓮華座上に立つ六体の地蔵菩薩を半肉彫りする

龕部、合掌する地蔵菩薩 龕部、右手錫杖、左手宝珠の地蔵菩薩 龕部、合掌する地蔵菩薩

六道は、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道の六つで、六体の地蔵菩薩(六地蔵)が六道から亡者を救済する

中  台

中台は六角形で側面は無地、下端は複弁の請花を刻出する

竿(さお)は、方柱で四隅に面取りを施す。下部は、土中にあり下端は太い枘(ほぞ)を造っている。竿の南西面に、三行の銘文を刻む

竿の銘文は、中央に「右志者為道周口源逆修也」、左右に「永享九(1437)丁巳」「十二月廿四日」の紀年銘を刻む

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地徳寛墓地(じとくかんぼち)石幢

石幢は、この地方の竜山石(たつやまいし)で造られ、室町時代中期 永享九年(1437)の紀年銘を持つ貴重な作品

 石 幢 (せきどう)

*JR山陽本線宝殿駅北口から神姫バス 細工所・北条方面行に乗車、大沢口バス停」下車、東側の小川沿いに北方向、最初の小橋を東に渡り、最初の小道を北側に、徒歩 約5分。

(撮影:平成22年5月17日)