石造 宝塔三尊(ほうとうさんぞん)供養塔婆

 石造 宝塔三尊(ほうとうさんぞん)供養塔婆(福島県郡山市安積町日出山3-106)

石造 宝塔三尊(ほうとうさんぞん)供養塔婆 (市指定文化財、凝灰岩、高さ 67Cm 幅91Cm)

日出山 小安観音堂の南側、覆堂の中に安置されている。長方形で平な凝灰岩の表面を彫り沈め、三尊と三重層塔を半肉彫りする

彫 刻 部

三尊と三重塔を二基浮彫にした構図は、兵庫県加西市西長町の「古法華石仏龕」(重文・奈良時代前期 本体の高さ 104.7Cm 幅 70.9Cm)に見られる。・・・

古法華の三重塔は三尊の後方に配され、中尊は倚坐(いざ)で、脇侍は獅子の頭に支えられた蓮華座上に立つている。三重塔は軒下の垂木、行基葺・・

まで精緻に表現されている。この石塔婆は、もとより古法華の技法に及ぶべきもないが、西洋の抽象画を見ているような不思議な魅力を感じる。・・・・・・・・

中尊は、右手が施無畏、左手が与願印で、阿弥陀の来迎印のように見える。頭光の表現も面白く、毀されたバーミアンの大仏を連想する

三重塔を中尊の両側に配しているのは、全国的にもこの作品だけと思われ珍しい。また、中尊は衲衣をまとい、台座の上に立っている。

左側の脇侍は、両手を合わせ合掌する勢至菩薩に見える 右側の脇侍は、観音菩薩で阿弥陀三尊を表しているのだろう

石造塔婆が納められている覆堂

 甚日寺(じんにちじ)曼荼羅自然石塔婆(護摩堂跡供養塔)          石仏と石塔-目次!

日出山 小安観音堂

石造塔婆は、本堂に向かって左隣奥、覆堂に安置されている

*JR東北線 「安積永盛駅」下車、北北東方向へ 徒歩 約24分。

(撮影:平成22年11月17日)