一乗谷遺跡・西山光照寺跡 石仏群(2)

 西山光照寺(にしやまこうしょうじ)(福井県福井市阿波賀町)

  西山光照寺は、天台宗真盛派に属し、朝倉一族内の勢力争いに敗れた鳥羽将景(初代 朝倉孝景の叔父)を弔うために建てられ盛舜(せいしゅん)上人により再興

  された寺院と伝えられている。寺院跡には大型の石仏が、南北に向かい合う形で約四十体が並べられている。石材は、笏谷石(しゃくだにいし)を用いている。

 西山光照寺跡(にしやまこうしょうじあと)地蔵石仏(北面・東側の石仏)

  北面・東側の石仏群は、比較的損傷の少ない石仏が集められている。

西山光照寺跡石仏群、北面・東側の石仏(十六体、史跡、室町時代後期、凝灰岩)

阿弥陀坐像(室町時代後期、凝灰岩(向かって左端) 虚空蔵菩薩(室町時代後期、凝灰岩(左端から二体目)

虚空蔵菩薩は一般的に、左手に宝珠を持ち、右手は剣を立てた形で表現されている。

十一面千手観音(室町時代後期、凝灰岩(左端から三体目) 善光寺型阿弥陀三尊石仏(室町時代後期(左から四体目)

善光寺型阿弥陀三尊石仏は、阿弥陀の脇侍に観音・勢至の両菩薩、光背に七体の化仏、脇侍の下部に二体の神像が刻まれている

阿弥陀立像(室町後期(左端から五体目) 十一面観音(室町後期(左端から六体目) 千手観音(室町後期(左端から七体目)

阿弥陀は、頭光から放射状に光明が刻まれ、十一面観音は頭上に化仏が彫られている。

観音菩薩立像(室町時代後期、凝灰岩(左端から八体目) 観音菩薩立像(室町時代後期、凝灰岩(左端から九体目)

右上の観音菩薩は、左手に蓮華を挿した宝瓶を持っており、光背に天文(1532~1554)の年号が刻まれている。

観音菩薩立像(室町時代後期、凝灰岩(左端から十体目) 地蔵菩薩立像(室町後期、凝灰岩(左端から十一体目)

右上の地蔵菩薩は、左手に錫杖、右手に宝珠を持つ通常の地蔵石仏。

石仏残欠(室町時代後期、凝灰岩(左端から十二体目)

石仏本体が欠失し、蓮華座から下を残すのみとなっている

地蔵菩薩立像(室町後期、凝灰岩(左から十三体目) 阿弥陀立像(室町後期、凝灰岩(左端から十四体目)

左上の地蔵菩薩は、左手に錫杖、右手に宝珠を持つ通常の形。

阿弥陀立像(室町時代後期、凝灰岩(左端から十五体目) 不動明王立像(室町後期、凝灰岩(左端から十六体目、右端)

右上は不動明王で、頂蓮を戴き、左耳前に弁髪を垂らし、憤怒の相。背には火焔光背、右手に利剣、左手に羂索を持つ。

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西山光照寺跡石仏群、北面・東側の石仏(十六体)

北面・東側の覆屋の内には、石仏十五体と本体をなくして台座のみの残欠が一体納められている

 石  仏-紀年順-目次

*JR越美線「一乗谷駅」下車 南西方向へ徒歩3分。

(撮影:平成21年11月25日)