西山光照寺(にしやまこうしょうじ)(福井県福井市阿波賀町)
西山光照寺は、天台宗真盛派に属し、朝倉一族内の勢力争いに敗れた鳥羽将景(初代 朝倉孝景の叔父)を弔うために建てられ盛舜(せいしゅん)上人により再興
された寺院と伝えられている。寺院跡には大型の石仏が、南北に向かい合う形で約四十体が並べられている。石材は、笏谷石(しゃくだにいし)を用いている。
西山光照寺跡(にしやまこうしょうじあと)地蔵石仏(北面・西側の石仏)
地蔵石仏は、西山光照寺跡石仏群のなかで、最も古い在銘石仏
西山光照寺跡地蔵石仏 (史跡、室町時代後期 享禄三年 1530年、凝灰岩、高さ 243Cm)
大きな舟形光背の前で、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ 地蔵菩薩を厚肉彫りする。地蔵は、単弁の蓮華座上に立つ。 |
地蔵頭上の月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」を刻み、光背面に薄肉に彫られた飛雲の中に、小月輪を六個 陽刻し、内に六地蔵の種子を刻む
舟形光背の向かって左側面に、銘文が一行で刻まれている | 銘文 上部 | 銘文 下部 |
銘文:「奉造供養、地蔵菩薩御尊像、諸願成就口、旹享禄三庚寅年、卯月十六日、大衆敬白」
西山光照寺跡石仏群、北面・西側の石仏
北面・西側の覆屋には、三体の石仏が安置されている
如意輪観音像(室町後期、凝灰岩) | 地蔵石仏(中央、室町後期、凝灰岩)、右手錫杖、左手宝珠 |
西山光照寺跡 阿弥陀三尊種子板碑(盛舜・真盛上人碑)
阿弥陀三尊種子板碑(盛舜・真盛上人碑)(室町時代後期 天文二十四年 1555年)
上部に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、下部に観音菩薩の種子「サ」(向かって右)と勢至菩薩の種子「サク」(左)を
月輪内に薬研彫する。月輪は、陽刻され周縁に小蓮弁を巡らしており、越前地方によく見る様式である。板碑は、光照寺
五代住職の真重上人が供養し盛舜・真盛両上人の名を刻んでいる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
西山光照寺跡石仏 全景(覆屋の中に安置されている)
中央に池があり、正面が東面、北面は向かって左側で覆屋が二つ、南面は右側で覆屋が二つある
一乗谷遺跡・西山光照寺跡(こうしょうじあと)石仏群(2) 石仏と石塔-目次!
史跡 西山光照寺跡 の石碑
*JR越美線「一乗谷駅」下車 南西方向へ徒歩3分。
(撮影:平成21年11月25日)