長楽寺(ちょうらくじ)の石塔遺品

 長楽寺(ちょうらくじ)石塔遺品(群馬県太田市世良田3119-4)

  長楽寺は、徳川氏の始祖である徳川義季が開基、石塔群は徳川氏累代の墓所と伝えられ、前方後円墳の後円部(文珠山)に安置されている

長楽寺(ちょうらくじ) 石塔群 南(左)列 六基、宝塔が四基、宝篋印塔が二基安置されている

  石造宝塔

宝塔(南列、西から三基目、凝灰岩)、建治二年(1276)銘 重文の宝塔とほぼ同形、笠がやや小さい。

宝塔(南列、西端、凝灰岩)、基礎の背が低い他は同形 宝塔(南列、西から四基目、凝灰岩)、笠を欠失する

長楽寺(ちょうらくじ) 石塔群 西(正面)列五基 (宝塔一基、宝篋印塔二基、板碑一基、層塔一基)、北(右)列五基 (宝篋印塔五基)

  宝篋印塔

長楽寺(ちょうらくじ)二重宝篋印塔(南列、西から二基目、南北朝時代前期 康永三年 1344年銘、安山岩、高さ 約 2m)
相輪と下の塔身を欠失する。基礎は上端二段、側面二区。上の塔身は輪郭付。基礎に康永三年(1344)の銘がある。

宝篋印塔残欠(西列、南から三基目)

宝篋印塔(南列、四基目、凝灰岩)、相輪の代わりに宝珠・請花を置く。塔身は胎蔵界四仏の種子、笠は下二段、上五段、最上段は露盤

関西で見慣れた宝篋印塔。形が整って美しい

宝篋印塔(西列、南から二基目、塔身の四方仏の種子が珍しい) 北列五基、宝篋印塔の残欠が並んでいる

  板碑

阿弥陀三尊種子 小板碑(西列、南から四基目、緑泥片岩)

頭部山形、その下に二条の切込、上部に大きく蓮華座上月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」、下部も同形で、右に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を薬研彫する

 明王院(みょうおういん)阿弥陀種子板碑                            石仏と石塔-目次!

石造層塔(西列、南から五基目、凝灰岩)、現在二層で相輪部を欠失、塔身は直接金剛界四仏の種子を雄渾な文字で薬研彫する。

*東武鉄道 伊勢崎線 「世良田駅」下車、南方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成22年4月8日)