不動寺(ふどうじ)自然石塔婆(北碑)

 不動寺(ふどうじ)(群馬県安中市松井田町松井田甲987)

   参道の門前、南北に三基並立する自然石塔婆、その北端の塔婆。紀年銘は摩耗して読めないが南碑・中央碑と同時代のものと見られている。

 東 面(正面)

不動寺(ふどうじ) 自然石塔婆 北碑(県指定文化財、南北朝時代前期、安山岩、高さ 140Cm 幅 100Cm 厚さ 65Cm)
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正面は、中央に阿弥陀三尊種子、その周りを七つの種字が半円状に配されている。三尊種字の下にある紀年銘は摩耗して読めない。

阿弥陀三尊種字と半円状に取り囲む七種字

阿弥陀三尊種子は、上方に大きく阿弥陀の種子「キリーク」、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を夫々蓮座上に刻む。

三尊種字を取り囲む種字は、頂点から時計回りに金剛界大日種字「バン」・釈迦種字「バク」・帝釈天種字「イー」・種字「キリーク」

「バン」から反対方向に弥勒種字「ユ」上方を三弁宝珠で荘厳する種字「キリーク」・種字「キリーク」がそれぞれ月輪内に刻まれている。

上から左側の種字、「バン」「ユ」三弁宝珠キリーク」「キリーク」 上から右側の種字、「バン」「バク」「イー」「キリーク」

阿弥陀三尊種字と半円状に取り囲む七種字

阿弥陀三尊種字は蓮座で、周りの七種字は月輪で荘厳する。

 西 面(背面)

不動寺(ふどうじ)自然石塔婆 北碑・背面(県指定文化財、南北朝時代前期、安山岩、高さ 140Cm 幅 100Cm )

西面(背面)は、中央上部に阿弥陀種字「キリーク」を蓮座上に薬研彫りされている。

北碑 背面、上部

阿弥陀如来の種字「キリーク」を蓮座上に薬研彫りする。

北碑、南西 面 北碑、北西 面

北碑 南西面は、上方に金剛界大日種子、その下に四行で光明真言、さらに下方に阿弥陀三尊種字が刻まれている。

 南西 面

南西面 刻銘 刻銘(部分)、金剛界大日種字「バン」と光明真言

南西面は、上から金剛界大日種字「バン」を月輪内に、その下に光明真言を四行で、その下に阿弥陀三尊種字を月輪内に刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

南西面の下方、 阿弥陀三尊種字

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を夫々月輪内に刻む。

不動寺(ふどうじ)自然石塔婆 三基 背面 (県指定文化財、南北朝時代前期 観応三年 1352年)

向って右から北碑(本碑)、中央碑(観応三年銘)、南碑(観応三年銘)。

 観照寺(かんしょうじ)阿弥陀一尊種子板碑                    石仏と石塔-目次!

不動寺 不動堂

不動堂に安置されている不動明王像(県指定文化財、鎌倉時代初期、高さ 26.2Cm)は、中央仏師の作とされている。

 板碑(いたび)

*JR信越本線「松井田駅」下車、北北東方向に 約1.5Km。

(撮影:平成28年10月15日)