阿弥陀堂跡 胎蔵界大日種子石塔婆(弘前市史 No:大鰐 5 )

 阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群 (青森県南津軽郡大鰐町三ツ目内字富岡)

  胎蔵界大日種子を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 正応四年(1291)の紀年銘がある。

胎蔵界大日種子石塔婆 (町指定文化財、鎌倉時代後期 正応四年 1291年、石英安山岩、高さ 164Cm 幅 35Cm 厚さ 31Cm)

石面上方に胎蔵界大日如来の種子「ア」、下方に「正應二二(四)(1291)辛卯、七月十五日、為西心、敬白」と刻む。

西心は、岩楯(現、平川市岩館)の地頭代 「曽我忠広」と考えられている。

阿弥陀堂 金剛界大日種子・名号石塔婆(弘前市史 No:大鰐 8 )

 阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群 (青森県南津軽郡大鰐町三ツ目内字富岡)

  金剛界大日種子「バン」と「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻む複合石塔婆で、紀年銘は刻まれていない。

金剛界大日種子・名号石塔婆 (町指定文化財、推定:鎌倉時代後期、石英安山岩、高さ 136Cm 幅 46Cm 厚さ 30Cm)

石面上方に金剛界大日種子「バン」、その下に「南無阿弥陀仏」の六字名号、下方に阿弥陀仏号を持つ「妙阿弥陀仏」の名を刻む。

六字名号

金剛界大日種子「バン」の下、六字名号「南無阿弥陀佛」が二行で刻まれている。阿弥陀種子「キリーク」と名号

複合塔婆は他所でも見られるが、「バン」との複合は珍しい。それだけ、種子「バン」がシンボルとして定着していることが伺える。

尚、当所には金・胎両大日種子と六字名号を刻む、鎌倉時代後期 正応六年(1293)銘の複合石塔婆が存在する。

刻銘:南無阿、弥陀佛」、「妙阿弥陀佛」 刻銘:妙阿弥陀仏」

阿弥陀堂跡 一尊種子石塔婆(弘前市史 No:大鰐 18 )

 阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群 (青森県南津軽郡大鰐町三ツ目内字富岡)

  種子「アク」を主尊とする石塔婆で、紀年銘は刻まれていない。

阿弥陀堂跡 一尊種子石塔婆 (町指定文化財、紀年銘なし、石英安山岩、高さ 72Cm 幅 41Cm 厚さ 31Cm)
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石塔婆 上方

種子「アク」を薬研彫する。

「アク」の仏尊は、金剛界四仏では不空成就如来、胎蔵界四仏では天鼓雷音如来でお馴染み。

その他、普賢菩薩、金剛薩埵、胎蔵界大日、釈迦如来の意もある。

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阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群

家並みの裏側、畑の一画に阿弥陀堂跡 石塔婆群がある。

 板碑(いたび)

*弘南鉄道 大鰐線「宿河原駅」下車、南西方向へ 約600m。「富岡バス停」の南側、家並みの裏側に立つ。

(撮影:平成25年10月14日)